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【スポニチ×スポキャリインタビューvol.20】大畑大介さん(元ラグビー日本代表)

[ 2022年4月29日 17:00 ]

元ラグビー日本代表・大畑大介さん
Photo By スポニチ

 学生のこと、就活のこと――元ラグビー日本代表・大畑大介さんにきいてみた。

 ラグビー界のスーパースターが、新しい人生に歩み出すみんなに熱いメッセージを送ってくれた。

 元ラグビー日本代表・大畑大介さんが「自分の可能性を信じて、就活に向かってほしい」と思いを語った。

 その経歴は改めて言うまでもない。東海大仰星(現大阪仰星)から京産大、そして神戸製鋼で、トライゲッターとして活躍。ワールド杯にも3度出場し、世界を相手に3トライを記録。日本代表キャップ58。

 左右のアキレス腱断裂など数々の重傷にも耐え、第一線で活躍してきた。

 「自分の中で、どうなりたいか、常にイメージして行動してきた。大きな目標を立てたら、それに向かうための中目標も見えてくる。一歩ずつ進めば、ゴールが見える」が信念。大畑さんだけが特別じゃない。みんなも出来ると、エールを送った。 
 
 【聞き手】岡 泰秀(株)スポキャリ取締役会長。
 昭和50年(1975年)生まれ。京都成章高―大阪体育大。
99年4月(株)大阪近鉄バファローズに入社。監督付き広報、2軍チームマネジャーほか、球団社長室に所属し、肖像権委員会、広報業務などに携わる。
 近鉄球団の整理を担当しながら、オリックスバファローズや東北楽天イーグルスの設立に携わり退社。
 09年にスポーツマネジメント会社「スポーツカンパニー」設立。上原浩治(元巨人)、建山義紀(元日本ハム)らの日本側の代理人を務め、清水直行(元ロッテ)らの事業コンサルを務めた。
 04年よりプロスポーツ昭和50年会を立ち上げ、幹事長を務める。05年より大阪体育大学硬式野球部の助監督を務めた(~17年)。16年からは阪神大学野球連盟の常任理事。


 ――これから就活に向かうにあたって、心がけてほしいことはどういったことでしょうか。

 「やることは変わらないと思います。大学4年間の部活動、スポーツへの取り組みを通して、自分たちで培ってきたことを、そのままぶつけていくだけ。これまでもスポーツの中で、目標に向けて、そして今の立ち位置から逆算してどうしたらいいか、ということはやってきたはず。目標を持って、次のステップに行く。それはスポーツでも就活でも変わらない。これまでと違うことをするんだ、と構える必要はないと思う」

 ――スポーツで自分の技術を磨く、大会でライバルに勝つ。そのために取り組んできたことが就活にも通じる、ということですね。

 「そうだと思います。大事な試合に手ぶらで行くことはないはず。しっかりと練習して、相手の研究をして、みんな試合に臨んでいたと思う。同じように就活でも事前の準備、トレーニングが必要になってくる。何もなしで、手ぶらで行って、受け入れてくれる企業はない。準備をしっかりすることが、勝利につながる。スポーツ選手なら、そのことは分かると思う」

 ――大学スポーツでの経験は、社会に出る上でどこが生きると見ていますか。

 「スポーツは成功と失敗の繰り返し。その中で自分たちがやってきたことは必ず生きると思ってほしい。忍耐とか根性とかがよく言われるけど、4年間で1年生から最上級生までポジションが変わる中で、スポーツを通して小さな社会をみんなが経験してきている。それが大事なこと。組織の中で自分の立ち振る舞い、行動がどんな影響を与えるのか。経験したからこそ理解ができる。その経験値は強い財産になるんです」

 ――その経験を、就活でどう生かしたらいいのか、どうやって武器にするのかが分からない悩みもあると思うが。

 「これまでの部活動と就活を切り離して、違うことをすると思っちゃいけない。やることは同じ。なぜ、この仕事をしたいのか、なぜ、この会社に入りたいのか。目標を立てて、なりたい自分をイメージすること。自分に何ができるか、箇条書きにしてみて、イメージして行動する。これはスポーツの中でやってきたことです」

 ――でも「なりたい自分」がなかなか見つからない人もいる。

 「目指す目標がまだなくてもいいんです。これから探す喜び、可能性があるということ。セミナーとかで新しい出会いもある。目標がまだ見つからないことで下向きになる必要なんてない。自分自身を磨くのも自分自身。自分の可能性を広げるのも自分自身。スポーツで4年間取り組んだ。その自分の可能性を信じて、進んでほしい」

 ――就活は苦しい、厳しいというイメージもある。

 「自分が苦労した人は大変だ、厳しいぞ、と言いがち。でも大変だぞ、とばかり言われても何も楽しくないよね。明るい未来があることをみんなに伝えたい。方法だってひとつじゃない。いろんな方法がある。うまく行っても、失敗しても、すべて自分の糧になる。失敗しても、フィードバックして、同じことを繰り返さないことが必要。なりたい自分が見つからなければ、見つかるまでいろんなことを経験していくべきだと思う。現状維持で思考停止することが一番良くない。一歩前に進むことで、手にできる経験がある。そう考えてほしい」
 
 ◆就活のためのキーワード

 (1)スポーツも就活もやるべきことは一緒。これまでもスポーツの中で、目標を立てて、どうしたら達成できるかと考えて取り組んできたはず。プロセスは同じだ。

 (2)試合に勝ちたいと思えば、練習して、相手の研究をする。手ぶらで臨むことはなかったはず。就活でもセミナーや説明会を活用して、事前の準備をしっかりやろう。

 (3)うまく行かなくても前に進もう。就活だって、いろんな方法がある。うまく行っても、失敗しても、すべて自分の糧になる。自分の可能性を信じてみよう。

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