引退を思い止まらせた師匠の優しい言葉 元若嶋津さんの弟子、流馬が涙の勝ち越し

[ 2026年3月18日 13:39 ]

大相撲春場所11日目 ( 2026年3月18日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所11日目>小滝山(右)を寄り切りで破る流馬(撮影・北條 貴史)
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 15日に肺炎で死去した元大関・若嶋津の日高六男さん(享年69)の弟子で東三段目60枚目の流馬(りゅうま、27=放駒部屋)が東三段目64枚目の小滝山(23=二子山部屋)を寄り切りで下し4勝2敗と勝ち越しを決めた。

 悲しみをこらえて土俵に上がった前日は前に出たもののに相手にはたかれた。この日は立ち合いから足が前に出て、左を差して出ると、土俵際でふられたもののこん身の力を振り絞って寄り切り。花道を引き揚げると、こみ上げるものをこらえ切れず「前に出て勝てた。引いたときは良く怒られたけど師匠の教えを貫けた。いい相撲が取れた」と号泣した。

 13年目の春も力士でいられるのは2人の師匠のおかげだ。2014年春に日高さんが師匠だった松ケ根部屋に入門。入門後は順調に番付を駆け上がっていったが、最高位の三段目50枚目に躍進した21年初場所で右膝を負傷。3場所全休を経験するも、そこから這い上がって22場所夏場所に三段目55枚目までカンバック。ところは今度は左膝の大ケガに見舞われた。右の次は左…。気持ちが完全に切れかけて、部屋を継承した師匠の放駒親方(元関脇・玉乃島)に「引退したい」と打ち明けた。しかし師匠からは「このまま悔いが残るままで髷を切ってもいいのか」と諭され思いとどまった。翌場所は名古屋に行かず、船橋市の日高さんの自宅でリハビリをかねて生活。再び土俵に戻ると決意したものの気持ちが完全に晴れない。そんななか、くすぶっていた心を奮い立たせのは日高さん夫妻だった。「(日高さんは)自室から3階の部屋まで上がってきてくれて“大丈夫か”“頑張れよ”と声をかけてくださり、気持ちが折れていた自分の背中を押してくれた。2人の師匠には本当に感謝しかない」。

 大きな存在だった先代師匠、そして現師匠への恩返しは続く。「最後の1番も勝って、いい報告をしたい」と決意を新たにした。

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