【陸上】桐生 8年ぶり9秒台出た! 29歳になっても「世界と勝負できること証明できた」

[ 2025年8月4日 05:00 ]

陸上富士北麓ワールドトライアル ( 2025年8月3日    山梨県・富士山の銘水スタジアム )

陸上の富士北麓ワールドトライアルの男子100メートル予選で9秒99をマークし喜ぶ桐生祥秀
Photo By 共同

 桐生、復活の時――。男子100メートル予選で、元日本記録保持者の桐生祥秀(29=日本生命)が9秒99(追い風1・5メートル)をマークし、世界選手権東京大会(9月13日開幕、国立競技場)の参加標準記録10秒00を突破した。桐生が9秒台に突入するのは、日本選手で初めて10秒の壁を突破した17年以来2度目。苦節8年で再び10秒の壁を越え、3大会ぶりの世界選手権個人代表を確実とした。 

 8年の時を経て、桐生が再び「10秒の壁」をぶち破った。鋭い加速から一気にスピードを上げ、独走でフィニッシュ。9秒99が確定すると、会場からどよめきが起きた。重圧やケガに病気――。それでも速くなれると信じて乗り越え「9秒台じゃないと世界と勝負できない。勝負できることを証明できた」と充実感に浸った。

 必然の好記録だった。悩まされ続けたアキレス腱痛が昨秋に癒え、ジャンプ系のトレーニングを再開。号砲から滑らかに加速ができるようになった。私生活からスリッパも含めて、底の厚い靴を約10足そろえて足を慣らし、短距離界でも主流となった厚底スパイクにも対応。心身ともに充実した今季、徐々に調子を上げていた。

 洛南高3年で10秒01をマーク。東洋大4年の17年には、日本選手権で当時の日本記録9秒98を叩き出した。だが、その後は重圧やケガ、病気など、多くの壁にぶち当たった。19年ドーハ大会を最後に個人での代表出場を逃し、21年東京五輪400メートルリレー決勝では1、2走でバトンミス。3走で待っていた桐生は涙を流し、そのまま世界の表舞台から消えた。

 一時休養を挟み、22年に再び勝負の世界へ戻った。最大のモチベーションは4歳になる息子の存在。「子供の記憶に残るまでパパとして走りたい」。息子が幼稚園の運動会で転べば、こう助言した。「どんどんつまずいてほしい。つまずかないと次の一歩が大きく踏み出せない」。それは自身の人生そのもの。7月には全国高校総体で星稜高の清水空跳(そらと、16)が10秒00をマーク。自身の日本高校記録を12年ぶりに更新され、SNSで清水を祝福する余裕も見せたが意地があった。

 9秒台を複数回記録するのはサニブラウンに次ぎ日本人2人目。五輪を含めた世界大会では、19年世界選手権以来となるこの種目の代表入りを確実にした。「まだ(参加)標準を突破しただけ。9秒99を超えていきたい。(世界陸上では)しっかり通過して、準決勝で勝負したい」。ひと回り強くなった桐生が、国立競技場を駆け抜ける。

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