五輪へ弾み!“りくりゅう”世界選手権2年ぶり2度目V 試練乗り越え涙V字回復「僕たちは強い」

[ 2025年3月29日 05:00 ]

フィギュアスケート世界選手権第2日 ( 2025年3月27日    米マサチューセッツ州ボストン )

<フィギュアスケート世界選手権>ペアで2年ぶり2度目の優勝を果たした三浦、木原組(ロイター)

 ペアではショートプログラム(SP)首位の愛称“りくりゅう”こと三浦璃来(23)木原龍一(32)組(木下グループ)がフリー2位の143・22点を出し、合計219・79点で2年ぶり2度目の頂点に立った。フリー、合計とも今季自己ベストと最高の演技を披露し、日本勢の出場1枠を確保した来季のミラノ・コルティナ五輪へ弾みをつけた。男子SPでは北京五輪銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ・中京大)が今季自己ベストの107・09点で2位発進した。

 2年ぶりの優勝が決まると、キスアンドクライで歓喜の輪ができた。三浦は目に涙を浮かべ、木原やマルコット・コーチも感極まる。3連続ジャンプやスロージャンプにミスが出たが、2度のリフトで大きな加点を得るなど意地の演技。猛追したGPファイナル優勝のドイツペアとは合計0・71点差と薄氷の逃げ切りだった。「いろんな感情が交ざり合っている。凄くうれしい」と三浦。木原も「全てを乗り越えてきた。(23年より)今回の優勝のうれしさの方が大きい」と語った。

 日本開催で初制覇した23年以降、試練の2年間だった。昨季は木原の腰椎分離症でシーズン前半を棒に振り、世界連覇にも失敗。今季は練習の成果が試合で出せないまま焦りが募る悪循環に陥った。昨年12月のGPファイナルは2位。高い理想と現実の差に絶望する木原に対し、三浦は「龍一君の顔をうかがっていた」と萎縮した。

 転機は昨年末の全日本選手権後。木原は試合映像を見た母から「誰かのお通夜みたい」と指摘を受け、気づいた。「楽しいはずのスケートは、こんなにつらかったっけ」。日々の練習に楽しさを見いだすように意識し、小さな成長に気づいた。マルコット・コーチもゲームや読書などでのリラックスを勧め「龍一が楽しんでいる様子を見せていると璃来も笑顔になるんだよ」と助言。2人らしさを取り戻し、2月の四大陸選手権を制覇。世界の頂点まで返り咲くV字回復に「魔法のよう」とコーチは表現した。

 2度の世界一を経験し、2度目の五輪イヤーへ向かう。木原は「1回目の優勝後に失敗した経験があるので僕たちは強い」と言う。不在の強豪ロシア勢が予選で1枠を得れば五輪に復帰。金メダル争いは熾烈(しれつ)を極めるが、最強ペアとして譲るつもりはない。

 ▽フィギュアスケートのミラノ・コルティナ五輪出場枠 男子、女子、ペア、アイスダンスのいずれも各国・地域3枠が最大。日本男女は世界選手権に各3選手が出場し、上位2人の順位合計が「13」以内なら3枠、「14~28」なら2枠を獲得する。男女は各29枠のうち24枠、ペアは19枠のうち16枠、アイスダンスは23枠のうち19枠が今大会で決定。残りは、ロシア勢も個人の中立選手(AIN)として参加する9月の最終予選(北京)で決まる。

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