岡崎真氏 坂本花織は五輪へ向けて試行錯誤のシーズン、より高得点狙えるプログラム挑戦は意味がある

[ 2025年3月29日 16:27 ]

フィギュアスケート世界選手権第3日 ( 2025年3月29日    米マサチューセッツ州ボストン・TDガーデン )

女子準優勝の坂本花織。自らの感情を表しながら記念撮影
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 女子フリーが行われ、坂本花織(シスメックス)は146・95点で合計217・98点として2位となった。米国のキャロル・ヘイス(当時は56~60年に5連覇)以来、女子では66年ぶりとなる史上5人目の4連覇はならなかった。千葉百音(木下アカデミー)は141・80点で合計215・24点として3位。樋口新葉(ノエビア)は132・48点で合計204・58点で6位。SP首位のアリサ・リュウ(米国)がフリーでも圧巻の演技を披露し、合計222・97点で優勝した。

 【岡崎真の目】日本女子のエースとして五輪枠を3枠獲得する重圧からの解放や、できることをやりきった充実感。演技終了後の坂本のガッツポーズには多くの意味が込められていたと思う。まずは「お疲れさま」と言いたい。

 フリー前半のジャンプには硬さも見られたが、中盤以降は良くなった。演技点は出場選手中最高で、滑りの評価は高い。一方で、今の女子のトップ選手は少しのミスで順位が変わる。今回で言えば、前半の3連続ジャンプの3回転サルコーに回転不足があり、細かな失点があった。終盤の連続ジャンプの3回転トーループは4分の1回転不足と判定されて加点を取り切れなかった。結果的にこれらがフリーでの巻き返しを邪魔してしまった印象だ。

 坂本にとっての今季は五輪に向けていろいろチャレンジするシーズンという位置づけだったと思う。3連続ジャンプの構成を変えたり、3回転ルッツの本数を増やしたりして、より高得点が狙える密度の高いプログラムに挑戦した。この挑戦が来季のプログラムの取捨選択につながると考えれば、意味がある。世界選手権の連覇が途切れ、「挑戦者」に立ち返ることができるのも大きいと思う。

 銅メダルを獲得した千葉も2度の回転不足はあったが、表彰台に立ったことで得た自信は大きいと思う。戦線復帰した樋口もGPシリーズで優勝を経験し、戦える感触を得ただろう。五輪代表3人を巡る戦いは今大会の代表が中心となることは間違いないが、国内にも伸び盛りの選手がいる。切磋琢磨しながら、さらなるレベルアップを期待したい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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