時疾風 幕内で初の「3・11」 地元宮城へ勇気の白星

[ 2025年3月12日 04:45 ]

大相撲春場所 ( 2025年3月11日    エディオンアリーナ大阪 )

時疾風は玉正鳳(右)を押し出しで破る(撮影・平嶋 理子)
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 宮城県栗原市出身の平幕・時疾風が東日本大震災から14年で初めて3月11日に幕内の土俵に上がり、玉正鳳を押し出して勝ち名乗りを受けた。新横綱・豊昇龍は若元春を首投げで下し、2勝1敗と白星を先行させた。2大関は大の里が豪ノ山を押し出して3連勝。初のカド番で臨む琴桜は小結阿炎に押し出されて早くも2敗目を喫した。

 1メートル79、139キロの小兵は正攻法を信条とする。時疾風は玉正鳳を常に正面に置いて攻め、一度として引かずに押し出した。「まわしにこだわらず取れました。今日は勝ちたい気持ちがあった。いろいろ、考えました。毎日気合を入れているけれど、特に気合が入る」。震災の日に初めて幕内の土俵へ上がり、勝ち名乗りを受けた。

 中学2年生だった14年前は、体育館で翌日の卒業式の準備をしていた。内陸にある出身地だが、揺れの大きさに走って逃げた。あらゆる物が倒れたオール電化の自宅は住めなくなった。電気、水道は止まり、ガスの通る旧宅で約1カ月、夜はろうそくをともし、井戸水で暮らした。

 「自分の相撲を見て、元気になってくれたらうれしい」
 この日語った思いは14年前、抱いた夢だった。東農大へ進み、卒業後を見据えて教員免許を取得。4年時の成績が不完全燃焼だったこと、震災時の夢も頭の片隅にあり角界入りを決断した。

 昨年夏場所での新入幕後、幕内で取るのは4場所目。過去3場所はいずれも勝ち越せなかった。あと6勝が次の目標になる。 

 ◇時疾風 秀喜(ときはやて・ひでき=本名冨栄秀喜)1996年(平8)8月25日生まれ、宮城県栗原市出身の28歳。小学2年から相撲を始め、栗駒中2、3年時に全中に出場。小牛田農林高から東農大を経て時津風部屋に入門。19年春場所で初土俵。23年夏場所新十両、24年夏場所新入幕。1メートル79、139キロ。趣味は掃除。得意は左四つ、寄り、上手投げ。家族は志織夫人。

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