77キロ級・日下尚 金メダル王手!初五輪で決勝「めちゃくちゃうれしいです」も「銀だと日本に帰れない」

[ 2024年8月7日 01:24 ]

パリ五輪12日目 レスリング ( 2024年8月6日    シャンドマルス・アリーナ )

<パリ五輪・レスリング男子77キロ級準決勝>吠える日下(撮影・岡田 丈靖)
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 男子グレコローマンスタイル77キロ級の日下尚(23=三恵海運)が6日、準決勝でマルハス・アモヤン(アルメニア)を下し決勝進出を決めた。世界1位の立場で臨んだ初五輪でのメダル獲得は確定。7日に行われる決勝で、日本レスリング史上最重量クラスとなる金メダル獲得に挑む。

 初五輪の初戦は開始直後から相手を圧倒。日下のレスリングを見せつけ9―0のテクニカルスペリオリティ勝ち。準々決勝も12―2で圧倒し、2戦連続テクニカルスペリオリティ勝ちで挑んだ準決勝でも、2021年に72キロ級で世界一になり、階級をアップして22~24年に欧州選手権を3連覇、22年のU23世界選手権で敗れた強敵にリベンジを果たした。

 序盤を優勢に進め相手の消極的姿勢で1ポイント先行。しかし、その後にポイントを取ることができず。相手に場外に出され1―1になったが、後半にバックを奪い3-1に。最後まで攻め続けた日下に残り5秒でアモヤンが諦め勝利を決めた。試合後は歓喜の雄叫びを上げ「本当は自分の目標は決勝なので、うれしくないと言いたいところなんですけど、正直、めちゃくちゃうれしいです!」と笑った。だが、あくまでも目指すは一つ。「金メダルしか見てないし、銀だと日本に帰れないので、大応援団も来てくれてますし、しっかり切り替えて、また相手の研究をして明日に備えたいと思います」と表情を引き締めた。

 60級の文田に続く快進撃。1984年ロスの52キロ級・宮原厚次以来、金メダルがなかった日本グレコ勢がパリで輝きを放っている。

 6月にハンガリーで行われた国際大会を制し、世界ランキング1位で初五輪に臨むことになった日下。「レスリングは五輪だけが人生を変える場。優勝したら思いっきり調子に乗ります。フェラーリに乗りたい」とでっかい夢を掲げ乗り込んだパリ。“金メダルを獲ってフェラーリ”まであと1勝だ。

 なお、日下が7日に行われる決勝で77キロ級を制すと、1968年メキシコシティー大会の宗村宗二のライト級(70キロ)を超えて、日本では最重量クラスでの金メダルとなる。

 ◇日下 尚(くさか・なお)2000年(平12)11月28日生まれ、香川県出身の23歳。高松北高、日体大を経て、23年4月から三恵海運所属。3歳の時に高松クラブで開始。小中学生時代は目立った成績を残せなかったが、グレコローマンスタイルに転向した高校時代から結果を残し始め、高3で国体などで優勝。日体大1年だった19年に全日本選抜選手権、全日本選手権で非五輪階級の72キロ級を制覇。昨年の世界選手権で3位に入りパリ五輪代表に内定。家族は両親と弟2人、妹1人。

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