“黄金世代”臼井麗香が涙のツアー初優勝「夢見てるみたい」最終R中止で36ホール決着

[ 2024年3月24日 13:18 ]

女子ゴルフツアー アクサ・レディス最終日 ( 2024年3月24日    宮崎県 UMKC=6545ヤード、パー72 )

<アクサレディス宮崎最終日>降雨のため競技中止となり初優勝が決まり笑顔でポーズを決める臼井麗香(撮影・会津 智海)
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 最終ラウンドが悪天候のため中止となり、第2ラウンドまでの36ホール競技に短縮されて臼井麗香(25=フリー)が通算13アンダーでツアー初優勝を果たした。98年度生まれの黄金世代14人目のツアーV。2季連続女王の山下美夢有(22=加賀電子)が通算12アンダーの2位に入った。

 最終ラウンドの中止が決まったことを知った臼井の目から涙があふれた。プロ7年目、念願の初優勝。しかも主催者推薦で出場権を得た、自身今季初戦での勝利だった。

 「凄くうれしい気持ちが1番。まだ夢見てるみたいです」

 2位から出た第2ラウンドで66をマークして単独首位に立った。そして最終日。最終組でのラウンドに備えて打撃練習を終えたところで、スタート前に最終ラウンドが中断。「いつやってもおかしくない。気持ちを切らさないように」。中止が決まるまでの約2時間半、ロッカーの静かなところで1人、集中力を研ぎ澄ませていたという。

 18年プロテストで合格し、20~21年シーズンで順調に初シードを獲得した。しかし、壁が待っていた。21年に2度の2位を経験したことで、「2位と1位の壁を凄く感じた」。勝利を求めて安定感を求めたスイング改造に取り組んだ結果、逆に振れなくなって飛距離は20ヤードも落ちた。会場で練習ラウンドを行うと、毎週、なぜか涙があふれてきた。「自分の良さが全部消えちゃって」。苦しかった。22、23年と賞金ランク100位台に沈み、シードを失った。

 だけど、元来負けず嫌いな性格。逃げなかった。「30歳までゴルフをやるって決めているので、100%努力したい」。5時間、ドライビングレンジで打ち込んでから練習ラウンドを回ったこともある。このオフにはキックボクシングなどこれまでの倍の週4度のトレーニングに取り組み、自身最大の51キロに増やした。母・香理さん(51)は「ホテルの部屋に帰ってきてもトレーニングをしていました」と明かす。強くなった体が安定したスイングにつながり、初勝利をつかむことができた。

 栃木で生まれ、タカラジェンヌを目指して3歳からクラシックバレエなどに励んできた。ニックネームは「レイチェル」。畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子らが名を連ねる「黄金世代」の1人でもある。「小さいころからたくさん凄い選手がいて。自分の個性を出したかった」。奇麗に巻いた髪を太めのリボンを結ぶ。ゴルフに興味を持つきっかけになることを願い、SNSでの発信も行うが、心ない意見が届くこともある。「私は見た目がスポーツマンらしくないので。毎日、SNSとかでアンチコメントも来ますけど、でもやっぱり、見てもらえることはうれしいので頑張ろうって思いました」と言った。

 プロテスト合格後の19歳の時、自身で書いた目標シートがある。「21年初優勝」。計画からは3年遅れたけれど、そこに向けての歩みは止めなかった。「2日間だとまぐれだろっって思われるかもしれないんですけど、次の試合から2勝目が1勝目だと思ってやっていきたい」と力強く宣言した。

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