【競泳】大橋悠依が2大会連続切符! 「パリは集大成。終わりは近づいてきている…一番良い泳ぎを」

[ 2024年3月24日 19:08 ]

競泳国際大会代表選考会最終日 ( 2024年3月24日    東京アクアティクスセンター )

<競泳パリ五輪代表選考会第8日目>女子200メートル個人メドレー決勝、パリ五輪代表を決め喜びを噛みしめる大橋悠依(撮影・西尾 大助)
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 女子200メートル個人メドレー決勝で大橋悠依(28=イトマン東進)が派遣標準記録を突破する2分9秒17で優勝。五輪切符を手にした。2位には松本信歩(21=東京ドーム)が入り、こちらも派遣標準記録を突破して五輪代表権を獲得した。

 後半まで安定した泳ぎで圧倒し、ガッツポーズ。大橋は「むっちゃ緊張してたんですけど、とにかく自分のできるレースをしようと思って、思い描いていたレースができた」と声を上ずらせた。

 「後半は自信あったので、前半は大きく泳いでいこうと。予選と準決勝うまく使ってこれたと思う」と振り返った。引退も覚悟する悲壮な思いで臨んだレース。「自分ができることやって、相手がそれを上回ったらそれだけだと覚悟して。できる100%をやってここに来ました」と語った。

 「パリへ挑戦することすら諦めそうになる瞬間もたくさんあったけれど周りの人に支えられてここまで来れた」と声援に感謝。「長く水泳をできているのは幸せ。終わりは近づいてきている。パリは集大成になる。自分の能力を最大限出して一番良い泳ぎをしたい」と見据えた。

 21年東京五輪個人メドレー2冠の女王だが、400メートル個人メドレーは代表権を逃した。東京五輪後は200メートル個人メドレーが主戦場で「この種目で(五輪代表に)入れなかったら、多分やめる」と進退を懸けていた。一緒に練習する34歳の入江陵介が世代交代の波にのまれ、パリ切符獲得の可能性が消滅。23日の準決勝後には入江から「とにかく楽しんで全力を出してきて」とエールをおくられた。同僚の思いを背負い、スタート台に向かった。

 22年に日本競泳女子で初めて肖像権を自主管理するプロスイマーに転向した。社会進出を目指す女性のロールモデルを目指したが、徐々に五輪女王の肩書きが重荷になった。東京五輪前は16年リオ五輪覇者で元同門の萩野公介が苦しむ姿を見て「楽しめばいいのに」と思っていたが、同じ立場となり「金メダリストにしか分からない気持ちがある」と痛感。練習で追い込めず記録も低迷した。

 苦悩から解放してくれたのは5歳下の後輩の言葉だった。東京五輪前まで一緒に練習した今井月から「もう獲るもん獲ったんだから好きにやればいいじゃないですか」と言われた。無邪気に真意を突かれ「確かに」と開き直れた。昨秋以降は結果やタイムを追いすぎず、自身の強みである大きな泳ぎを追求。全盛期にはほど遠いが、一時のどん底を脱した。

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