男子バスケが証明したジャパンズウエー 「3点シュート」「ハイスピード」「粘り強い守備」が収穫

[ 2023年9月4日 05:30 ]

カボベルデ戦で雄叫びを上げる富永(AP)
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 【元日本代表主将 篠山竜青 ここがポイント】3戦全敗に終わった21年東京五輪から2年。日本はW杯で3勝して、パリ五輪切符を獲得した。前回19年W杯中国大会で主将を務めた元日本代表ポイントガードの篠山竜青(35=川崎)が今大会を総括した。

 4年前のW杯では1勝もできなかった。開催国枠で東京五輪に出ることは決まっていたが、アジア1位になる難しさは身をもって感じていた。あの当時、パリ五輪に行くのは相当大変だろうと思っていた。それが、ホーバス監督に代わって2年でここまで成長した。驚きと感動を持って見ていた。

 カボベルデ戦は出だしからゲームコントロールができていた。2メートル21のE・タバレス選手に対してはスクリーンを絡めて攻めたり、ホーキンソン選手が3点シュートを狙ったり、相手の平面的な動きの弱さをうまく突いていた。富永選手の3点シュートも当たり、安心して見ていた。第4Qは苦しんだが、勝ちきれてよかった。

 今大会の収穫は「ハイスピード」「粘り強い守備」「3点シュート」を3本柱とするホーバス監督のバスケットを信じてプレーすれば世界で戦える、勝てるということが結果として出たことだ。日本のバスケットが目指すべき道が見えた大会だったと思う。

 若い選手を中心に大きな自信になっただろう。今後、富永選手、河村選手は間違いなく日本を支える選手になる。地味だが、吉井選手、川真田選手が自信を持ってプレーしていたのも印象的で、伸びしろがあって楽しみだ。

 課題はゲームコントロールや連係だ。困った時に1対1に頼るだけでなく、チームでゲームを組み立てたい。攻撃の引き出しの数を増やし、厚みを持たせることが重要になってくる。

 現在のメンバーで来年の五輪代表に確実に入るのは半分くらいだろうか。この2年、多くの若手が呼ばれたが、この先もサバイバルしながら連係を高めていきたい。日本のバスケット界としては今のスタイルをジャパンズウエーとして根付かせることが大事だと思う。(19年W杯日本代表主将)

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