伯桜鵬が左肩手術、秋場所全休へ 将来見据え「最善の選択」夏場所直前にも手術を検討していた

[ 2023年9月4日 15:25 ]

伯桜鵬
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 大相撲の幕内・伯桜鵬(20=宮城野部屋)が4日、秋場所(10日初日、東京・両国国技館)を全休すると明言した。左肩の状態が回復せず、8月31日に手術を受けたという。

 伯桜鵬は名古屋場所で新入幕ながら11勝を挙げる大活躍も、場所後は夏巡業を休場して治療に専念していた。しかしリハビリで思うようには回復せず。手術2日前の8月29日には「休場して番付が落ちたとしても、幕内にいることが僕の目標ではない。自分の夢をかなえるために最善の選択をしていきたい」と話しており、将来を見据えた「最善の選択」に踏み切った。伯桜鵬はこの日「どうしても肩が回復せず、手術しかないと思った。不安を抱えている状態では勝てない」と経緯を説明した。

 高校時代は右肩を痛めており、卒業後すぐに入門せず手術を受けて完治させてからプロの世界に飛び込んだ。そして入門直後、初土俵を踏む初場所直前に今度は左肩を負傷。当初はそれほど重症ではなかったが、4月に再度痛めた。夏場所直前には師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)と先代師匠の(当時)間垣親方(元幕内・竹葉山)も交えて話し合い「若いんだから早めに治した方が良い」といった助言を受けていた。

 夏場所以降は左肩に大きなテーピングを施して出場。それでもケガを感じさせないような強さで夏場所は十両で14勝1敗、名古屋場所は新入幕で11勝4敗と快進撃を続けてきた。師匠は「先場所の活躍で期待されただけに、師匠として申し訳ない」とコメント。復帰の時期については「医師と相談しながら決めていく」と話すにとどめた。

 このまま休場が続けば九州場所で十両、来年初場所で幕下1桁台、翌春場所では入門時(幕下15枚目格付け出し)よりも下の幕下40枚目台まで番付を落とすことが見込まれる。「あまりに早く新十両や新入幕となって注目され、左肩は限界だったが番付を落とすのが怖い気持ちがあった。手術の決断は時間がかかった」。所要1場所で新十両、3場所で新入幕、史上最速三賞と数々の記録を塗り替えてきた“令和の怪物”。弱冠20歳にして角界の将来を背負い、大きな葛藤とも闘っていた。

 大きな試練に直面したが、手術を終えてもう視線は前を向いている。「どこまで落ちてもいいと思っている。今より強くなって復帰したい」。万全な状態で土俵に帰ってくる伯桜鵬の姿が、今から待ち遠しい。

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