超人”川副が幕下筆頭で勝ち越し!左足骨折しながらも念願の新十両昇進確実に「まだまだ上がある」

[ 2023年5月24日 16:57 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2023年5月24日    東京・両国国技館 )

<夏場所11日目>上戸(左)に寄り倒しで勝利した川副(撮影・島崎忠彦)
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 一昨年の学生横綱の幕下・川副(24=宮城野部屋)が上戸(27=立浪部屋)を下して4勝2敗とし、勝ち越しを決めた。

 立ち合いすぐに二本差して中に入って一気に前に出ると、相手の右小手投げをこらえて寄り倒し。「あんなにうまく取れるとは思ってなかった」という会心の相撲だった。

 西幕下筆頭で勝ち越し、新十両昇進が確実に。安どの表情を見せながらも「一つの目標に一歩近づいただけなので、まだまだ上があるので全然満足ではないですね」と気を引き締めた。昨年8月の入門会見で師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)に「小さな白鵬」と称された1メートル67、111キロの逸材。「相撲界に入ったからには幕内、三役、横綱と上の地位がある限り目指している」と言うように、新十両昇進は通過点に過ぎない。

 満身創痍で大きな白星をつかんだ。4月5日の稽古中に左足を負傷。中足骨の骨折とリスフラン関節脱臼、靱帯の断裂と大ケガを負った。病院で「1カ月でやっと歩けるようになるか」と言われたほどの重傷だったが「(幕下)筆頭なので出なかったらもったいない」と強行出場を決意。序二段力士相手の実戦稽古を初日の4日前に再開したものの、ほとんどぶっつけ本番の状態で「(夏場所に)出れるか出れないかの瀬戸際だった」という。

 勝ち越しが懸かった5番相撲では、痛めている左足を思い切り蹴られて勇磨(24=阿武松部屋)に蹴返しで敗れ、痛みで立ち上がることもままならなかった。左目も腫れており「正直、戦えていることが不思議なくらい」と漏らしていた2日後に会心の相撲で念願の関取昇進を確実にした。

 原動力になったのは、部屋の関取衆の存在。北青鵬(21)は幕内で、落合(19)は十両でそれぞれ快進撃を続け、炎鵬(28)は首のケガを抱えながらも9日目まで出場を続けた。「刺激にしかならないですね。こんなので弱音を吐いている場合じゃない」。ケガを押して強い気持ちで土俵に立ち続けた。

 宮城野部屋に新たな個性派関取が誕生する。関取最軽量100キロの“令和の牛若丸”炎鵬。最長身2メートル4の“規格外”な北青鵬。所要1場所の史上最速で新十両昇進を果たした“令和の怪物”落合。そこに加わるのが、並外れた身体能力を持ち、骨折しながらも勝ち越した“超人”川副。十両の土俵で15日間戦う姿を見るのが、早くも楽しみだ。

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