レイカーズは通算11回目のスイープ敗退 先発の八村は10得点 ナゲッツは初のファイナル出場
1987年のスーパーソニックス(現サンダー)以来、第7シードのチームとしては36年ぶりに西地区決勝に駒を進めていたレイカーズは22日、地元ロサンゼルス(カリフォルニア州)で第1シードのナゲッツとの4戦目を迎えたが111―113(前半73―58)で敗れて4戦全敗。前半で15点をリードしたものの第3Qで16―36と後手に回り、5点差を追って突入した第4Qでは3度同点にしたものの、その後の接戦をものにできなかった。111―113で迎えた残り4秒からの最後のプレーではこの日40得点のレブロン・ジェームズ(38)がインサイドにドライブしたがアーロン・ゴードン(27)に阻止されて試合終了。今シリーズでは4試合とも終盤の競り合いに敗れる形となった。
八村塁(25)は3月15日のロケッツ戦以来、レギュラーシーズンとプレーオフを併せて28試合ぶりに先発出場。41分の出場でフィールドゴール(FG)を12本放ったが成功は3本で10得点と7リバウンドをマークしたが後半は4本のシュートをすべて外して無得点。しかし敗れはしたものの、今ポストシーズンでは16試合に出場して平均得点は12・2(レギュラーシーズンは11・2)、FG成功率は55・7%(同48・6%)、3点シュートの成功率は48・7%(同31・9%)と存在感は示した。
ファイナル最多出場を誇る(32回=優勝17回)レイカーズがプレーオフのシリーズで1勝もできずに敗退するのは、2013年の1回戦(対スパーズ)以来、これが10年ぶり11回目(7試合制では9回目)。ファイナル進出をかけた地区決勝ではディビジョン制とカンファレンス制時代を含めて4回目となった。
ナゲッツはレイカーズに対してはプレーオフ通算7回目の対戦で初のシリーズ制覇。旧ABAの解散と吸収合併によってNBAに加盟した同チームは、ABA最後の年となった1976年のファイナルには進出(ペイサーズに3勝4敗)しているが、NBAでは47シーズン目にしてこれがファイナル初出場となった。スイープ突破は3試合制と5試合制を含めてプレーオフ通算51シリーズ目(ABA時代を含む)で初めて。ABA時代(計9シーズン)もリーグ制覇は経験しておらず、今季はチーム創設56シーズン目での初優勝を目指すことになる。
レイカーズのダービン・ハム監督(49)は選手起用とローテーションを大幅に変更。先発ガードだったディアンジェロ・ラッセル(27)をベンチから出場させ、2016年のファイナルでジェームズともにキャバリアーズ優勝に貢献し、4月9日に契約していた控えセンターのトリスタン・トンプソン(32)を第2Qの出だしではデービスに代わって起用した。
ジェームズは前半でプレーオフのハーフ自己最多の31得点を挙げたが後半は9得点。3点シュートは7本中4本を決めたものの、第4Qでは2本とも失敗しており、今プレーオフの最終クオーターでの3点シュート成功率は8・7%(23本中2本)に終わった。
アンソニー・デービス(30)は21得点と14リバウンド。アンソニー・リーブス(24)は17得点、先発したデニス・シュルーダー(29)も13得点と奮闘したがあと一歩及ばなかった。
ナゲッツではヨキッチが第4Q中盤で5反則目をコールされながらも30得点、14リバウンド、13アシスト、3ブロックショットで今ポストシーズン8回目のトリプルダブルを達成。第3Q終了時にすでに個人記録3部門の記録を2ケタにしていた。111―111で迎えた第4Qの残り51秒にはゴール下でしぶとくシュートを成功。これがチームにとっての決勝点となった。ヨキッチは西地区決勝シリーズのMVPに与えられるマジック・ジョンソン・トロフィーを獲得。レギュラーシーズンでは過去2年連続でMVPとなっていたが、〝勲章〟をさらに1つ増やして初めてのファイナルに向かうことになった。
レイカーズとの過去3戦でいずれも30得点以上(31→31→37)をマークしていたジャマール・マーリー(26)は3点シュートを4本とも失敗したがそれでも25得点。ナゲッツはファイナル初出場を決めた試合では7人だけのローテーションで乗り切った。
<八村の全オフェンス>
▼第1Q(出場12分=2得点)
(1)1分36秒・右サイドからインサイド。ゴール下でシュートを放ったがポーターJRにブロックされる=×
(2)3分5秒・左サイドからドライブ。ポーターJRを振り切って右手でダンク=○(アシスト・リーブス)
(3)6分14秒・ペイント内でシュート=×
(4)6分16秒・自分でリバウンドして再度シュート=×
(5)10分32秒=左コーナーから3点シュート=×
▼第2Q(出場7分35秒=8得点)
*5分41秒・フリースロー2本=○○
(6)6分40秒・速攻から右サイドを疾走。ヨキッチを前にしてゴール下=×
(7)7分20秒・左ベースライン際をドライブ。ヨキッチをかわして右手でレイアップ=○(アシスト・シュルーダー
*8分19秒・フリースロー2本=○○
(8)9分9秒・左サイドでジャンプシュート=○(アシスト・ジェームズ)
▼第3Q(出場10分21秒=無得点)
(9)4分13秒・右サイドからドライブして右手でフックシュート=×
(10)7分5秒・正面からドライブして左手でレイアップ=×
(11)8分18秒・左コーナーから3点シュート=×
▼第4Q(出場12分=無得点)
(12)8分11秒・正面から3点シュート=×
<レイカーズの今プレーオフ成績>
▼西地区1回戦(対グリズリーズ=4勝2敗)
(1)○128―112
(2)●93―103
(3)○*111―101
(4)○*117―111(延長)
(5)●99―116
(6)○*125―85
▼西地区準決勝(対ウォリアーズ=4勝2敗)(1)○117―112
(2)●100―127
(3)○*127―97
(4)○*104―101
(5)●104―101
(6)○*122―101
▼西地区決勝(対ナゲッツ=3敗)
(1)●126―132
(2)●103―108
(3)●*108―119
(4)●*111―113
*はロサンゼルスでの試合
<ナゲッツのプレーオフでの対レイカーズ>
▼1979年=●1回戦(1勝2敗)
▼1985年=●地区決勝(1勝4敗)
▼1987年=●1回戦(0勝3敗)
▼2008年=●1回戦(0勝3敗)
▼2009年=●地区決勝(2勝4敗)
▼2012年=●1回戦(3勝4敗)
▼2020年=●地区決勝(1勝4敗)
▼2023年=○地区決勝(4勝)
<レイカーズのスイープ敗退>
▼1957年=地区(ディビジョン)決勝(0勝3敗=対ホークス)
▼1959年=ファイナル(0勝4敗=対セルティクス)
▼1967年=1回戦(0勝3敗=対ウォリアーズ)
▼1977年=地区決勝(0勝4敗=対トレイルブレイザーズ)
▼1983年=ファイナル(0勝4敗=対76ers)
▼1989年=ファイナル(対ピストンズ=0勝4敗)
▼1998年=地区決勝(0勝4敗=対ジャズ)
▼1999年=地区準決勝(0勝4敗=対ジャズ)
▼2011年=地区準決勝(0勝4敗=対マーベリクス)
▼2013年=1回戦(0勝4敗=対スパーズ)
▼2022=地区決勝(0勝4敗=対ナゲッツ)
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