札幌の30年冬季五輪招致は困難 汚職、談合事件の影響で機運停滞 IOCも他の候補地に切り替え

[ 2023年4月15日 04:45 ]

札幌市中心部の地下街に掲示されたオリンピック選手らのポスター=2022年2月
Photo By 共同

 札幌市の30年冬季五輪招致が困難な情勢となっていることが14日、複数の関係者への取材で分かった。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職、談合事件の影響で日本の機運が停滞し、札幌市を最有力候補としてきた国際オリンピック委員会(IOC)が他の候補地に事実上照準を切り替えたとみられる。日本側でも34年以降への先送り論が強まっており、招致活動は仕切り直しとなる。

 札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は引き続き招致活動を続けるが、34年大会は米ソルトレークシティーが有力とされている。IOC関係者は「札幌側が全ての問題を解決しないといけない」と述べた。

 五輪招致が争点となった9日投開票の札幌市長選では推進派の秋元克広市長が3選を果たしたが、反対派に票が流れた。これを受け、秋元氏やJOCの山下泰裕会長が招致時期の見直しを含めて検討する必要性に言及していた。関係者によると、日本側はIOCと水面下で協議を重ねており、30年開催の事実上の見送りについても議論が進んでいるもようだ。

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2023年4月15日のニュース