確率0・67%の奇跡 米大学男子バスケでフェアリー・ディキンソン大が大殊勲 パデュー大を1回戦で撃破

[ 2023年3月18日 11:21 ]

パデュー大に勝って雄叫びを上げるフェアリー・ディキンソン大のロバーツ(AP)
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 全米大学バスケットボール男子のNCAAトーナメント(参加68校)は17日に1回戦の16試合を行ったが、オハイオ州コロンバスで開催された東部地区1回戦で大波乱。地区最下位シード(第16シード)のフェアリー・ディキンソン大(ニュージャージー州)が第1シードで223センチのザック・イーディー(3年)を擁するパデュー大を63―58(前半32―31)で撃破した。

 AP通信によれば、第16シードのチームが第1シードを倒したのは2018年のメリーランド大ボルティモアカウンティー大(UMBC=対バージニア大)以来、史上2チーム目。過去150回の対戦で勝ったのはUMBCだけで、フェアリー・ディキンソン大は確率0・67%という“狭き門”を見事にくぐり抜けた。しかも所属のノースイースト・カンファレンス・トーナメント決勝ではメリマック大(マサチューセッツ州)に66―67で敗れており、本来ならばNCAAトーナメントに出場できなかったチーム。NCAAトーナメントに出場するには「ディビジョン1」に4シーズン在籍していることが条件で、メリマック大は2019年に「ディビジョン2」から昇格したために(在籍3シーズン)これを満たしておらず、代わって出場権を得たのがフェアリー・ディキンソン大だった。

 先発5人の平均身長は今や日本の高校チームでも珍しくはない186・0センチで、ガードのディメトレイ・ロバーツ(4年)は173センチ、グラント・シングルトン(4年)は175センチ。パデュー大(198・6センチ)とは12・6センチもの“格差”があったにもかかわらず、最後まで粘りぬいて勝利を収めた。

 今季はこれで21勝15敗。一方、強豪校がひしめくビッグ10のカンファレンス・トーナメントを制し、APランク3位のパデュー大は今季35戦で6敗目。イーディーは21得点と15リバウンドをマークしたが、チームは53―54とした後半の終盤の残り7分9秒から5分46秒間も無得点に終わるなど、大詰めでは不本意な試合内容となった。

 なお前日の南部地区1回戦では第2シードのアリゾナ大が第15シードでアイビーリーグ所属のプリンストン大に55―59で苦杯。今年のNCAAトーナメント(決勝は4月3日=ヒューストン)では1回戦から大波乱が相次いでいる。

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2023年3月18日のニュース