貴景勝 綱獲り絶望的 負傷の左膝も悲願成就へも痛すぎる3敗目

[ 2023年3月18日 04:40 ]

大相撲春場所6日目 ( 2023年3月17日    エディオンアリーナ大阪 )

御嶽海(手前)に押し出されて3敗目を喫する貴景勝(撮影・北條 貴史)
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 綱獲りに挑む大関・貴景勝が御嶽海に敗れ、痛恨の3敗目を喫した。これで場所後の横綱昇進は絶望的な状況に。3日目に痛めた左膝の不安は拭い切れなかった。初日から5連勝としていた4人のうち、小結・大栄翔と平幕の翠富士、高安の3人が6戦全勝と星を伸ばした。

 土俵を割る瞬間、痛すぎる3敗目に顔をゆがめた。前に出て勝負を決めれば問題なくても、下がるとやはり膝に負担がかかってしまう。貴景勝は鋭い立ち合いから押し込んだが攻めきれず、下からあてがわれて応戦されると引きに転じた。思い直して押し返す場面もあったが、再度引いたところで完全に上体が起き上がってこらえ切れなくなった。

 土俵下の粂川審判長(元小結・琴稲妻)は「まだ優勝しないとも限らないが」と前置きした上で「厳しいと言えば厳しい」と見解を示した。綱獲り場所を12勝3敗の成績で横綱に昇進したのは、15日制が定着した1949年以降では大鵬、柏戸、3代目若乃花の3人だけ。いずれも3敗目を喫したのは終盤戦に入ってからで、前半戦で3敗となると機運も高まりにくくなる。

 極めて厳しい状況ではあるが、可能性は0ではない。直近6場所中5場所で12勝3敗の力士が優勝していることを踏まえると、残り9番全て勝てば2場所連続優勝に届くことも考えられる。「自分の夢でもあるけど、周りで支えてくれるみんなの夢も背負って頑張りたい」と綱獲りへの決意を語っていた大関。かすかな希望を信じ、残り全部勝つしかない。

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2023年3月18日のニュース