【玉ノ井親方 視点】貴景勝は綱獲りどころではなくなってきた

[ 2023年3月15日 19:08 ]

大相撲春場所4日目   ●貴景勝(はたき込み)阿炎○ ( 2023年3月15日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所4日目>阿炎(右)にはたき込みで敗れて2敗目を喫する貴景勝(撮影・北條 貴史)
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 綱獲りどころではなくなってきた。

 貴景勝は左膝の周辺にテーピングを施し土俵に上がった。対戦相手の阿炎とは先場所まで3勝5敗と分が悪く2連敗中だった。懐の深い相手を押し込むためには素早く、そして力強く前に出る必要がある。立ち合いで当たってから押し込もうという気持ちは感じられたが、いかんせん肝心の足がついていかなかった。膝を気にして取っている様子で、力が相手に伝わっていなかった。

 前日の正代戦で、どの部分をどの程度痛めたのかは分からない。ただ、この日の相撲を見る限り、思うように動き切れていないのは確か。万全の状態にはほど遠い。このまま最後まで取り切れるのか不安がつのる。

 綱獲り場所でまだ2敗。簡単に休むことはできないかもしれないが、極端に言えば今回でそのチャンスがなくなるわけでもない。ケガの状態は本人が一番分かっていること。26歳という年齢を考えれば、この先まだまだそのチャンスを自分でつくることはできる。休むのも勇気が必要だが、このまま大関の相撲を取り続けられるのか心配だ。(元大関・栃東)

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