2メートル4の新入幕・北青鵬 稽古内容も“規格外”33センチ差の雷鵬に後ろを取らせる“ハンデ戦”

[ 2023年3月1日 17:21 ]

1メートル71の雷鵬(右)を相手に後ろを取らせて相撲を取る、2メートル4の北青鵬(撮影・前川 晋作)
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 大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)で新入幕を果たした北青鵬(21)が1日、所属する東京都墨田区の宮城野部屋で15番の申し合い稽古を行った。

 幕下の大谷(23)、向中野(20)、雷鵬(25)、大ノ蔵(24)の4人を順番に指名しながら連続で15番取って13勝2敗。相手に攻めさせてから差し手を徐々に深くして攻め返したり、もろ差しを許してから外四つでじわじわ前に出たりとさまざまな取り口を試しながら取った。

 2月の計測で2メートル4を記録し、公式計測するようになった1953年以降の歴代最長身新入幕力士となった北青鵬は、申し合い稽古の内容も“規格外”。1メートル71、95キロの小兵・雷鵬には先に攻めさせて後ろを取らせる展開を自らつくった。懸命に攻めて送り出そうとする雷鵬に対し、右でまわしをつかむと、はりま投げのように強引に振り回して体を入れ替えて後ろもたれ。2度目は、後ろについてから徹底的にまわしを取らせないように工夫しながら攻めた雷鵬が送り出しで勝利。33センチ差の両者による攻防は、稽古場でもなかなか見られない珍しい光景だった。

 北青鵬は「(あの体勢は)わざとです。工夫してやったつもりです」と体格差、実力差のある相手と“ハンデ”をつけて相撲を取った狙いを説明。また「(雷鵬が)後ろを取ってからどこまでやれるかを見たかった。僕だけの練習じゃないので」と弟弟子に稽古をつける目的も説明し、部屋頭としての責任感をにじませた。

 番付発表の翌日には、最長身力士の新入幕が新聞各紙で大きく報じられた。終面(裏1面)に掲載されたスポニチ本紙を手に取ると「そんなデカく載ったんですね!うれしいです」と満面の笑み。「(また)こんな大きく載りたいですね」と今度は“1面級”の活躍を誓った。春場所の目標は2桁勝利と三賞。「やるだけやってみて、獲るつもりでいきます」と力強く宣言した。

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2023年3月1日のニュース