20歳の飛ばし屋・久常 初Vへ1差4位!初日は初首位&初6連続バーディー64「アメージング」

[ 2023年2月4日 04:57 ]

欧州男子ゴルフツアーラスアルハイマ選手権第2日 ( 2023年2月3日    アラブ首長国連邦 ハムラGC=7400ヤード、パー72 )

久常涼
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 最終予選会を突破して今季から参戦する久常涼(20=SBSホールディングス)が2日の第1日に6連続を含む9バーディー、1ボギーの64をマークし、8アンダーで単独首位発進。3日の第2日は5バーディー、3ボギーの70で通算10アンダーの4位となったが、首位と1打差の好位置をキープしている。青木功、松山英樹に続く日本人3人目のツアー優勝を目指す。

 第1ラウンドを終えて英語でインタビューに応じた久常の声は弾んでいた。それもそのはず、6連続バーディー発進から64をマークし、自身初の首位発進を決めたのだから。自身23年初戦でロケットスタートを切った。

 「本当にアメージングです。今年最初の大会なのでスタート時は少し緊張していましたが、いいスタートになりました」

 1番パー4で第2打を60センチにつけると、2番では5メートルのチャンスを沈めて勢いに乗る。6番パー4で2打目を2メートルに寄せて伸ばし、「初めて」という怒濤(どとう)の6連続バーディーで発進した。最終18番こそ「とても緊張した」と第1打を左の林に曲げて唯一のボギーを叩いたが、2位に2打差をつけて初日を終えた。

 岡山出身の20歳は、渋野日向子らを輩出した作陽高3年時にプロ転向して3年を迎えた。昨年11月の最終予選会7位で欧州ツアーへの切符をつかみ、今季から本格参戦している。昨年は日本ツアーで戦いながら韓国、スペイン、タイ、サウジアラビアなど多くの国を転戦。それほどに海外志向が強く、将来の目標には米ツアー参戦を掲げている。武器は平均飛距離300ヤードを超える1W。ただし飛距離だけではなく、「PGA(米ツアー)だと30ヤード前にいる選手も多いので精度で勝負」とクレバーさも持ち合わせる。昨年11月に開催された今季開幕戦のフォーティネット・オーストラリアPGA選手権ではいきなり2位に入る実力を見せた。

 第2日も70と粘って、1打差4位の好位置で決勝ラウンドを迎える。20歳のホープがプロ初優勝をつかみ取れば、青木功、松山英樹に続く日本人3人目の欧州ツアー制覇となる。


 ◇久常 涼(ひさつね・りょう)2002年(平14)9月9日生まれ、岡山県出身の20歳。3歳でゴルフを始める。中3時の17年に日本ジュニア優勝。岡山・作陽高では渋野日向子の4学年後輩で、1年時の18年には全国高校選手権を制した。20年プロ転向。21年下部ツアー3勝。昨年、国内では初優勝に届かなかったが、賞金ランキング24位でシード権を獲得。1メートル75、75キロ。

 ▽DPワールドツアー(欧州ツアー)1972年に発足し、欧州を中心にアジアやアフリカ、米国でも開催されている男子ゴルフツアー。昨年からアラブ首長国連邦の港湾会社、DPワールドがタイトルスポンサーとなった。今季は昨年11月に開幕しており、26カ国36大会以上を予定。賞金総額は1億4420万ドル(約185億円)を誇る。日本人優勝者は78年世界マッチプレー、83年欧州オープンを制した青木功、16年HSBCチャンピオンズ、17年WGCブリヂストン招待を制した松山英樹の2人。昨年12月に日本ツアー(JGTO)賞金ランク上位3人(比嘉、星野、岩崎)に今季メンバー資格を付与することを発表した。

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