【元日女子相撲】会場設営にスポンサー集め…世界レベルの女子選手が力を合わせて大会運営

[ 2023年1月1日 22:55 ]

<元日女子相撲>大会の運営に尽力し、今大会軽量級で準優勝した奥富夕夏(左)=撮影・前川 晋作
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 女子相撲の普及・発展を目的とした「元日女子相撲日本一決定戦」が1日、東京都立川市のアリーナ立川立飛で開催された。

 従来の大会と違い「女子による女子のための大会」の実現を目指して行われた今大会。日本代表レベルの現役女子選手8人が大会準備委員として運営にあたった。昨年夏頃から本格始動し、主催である日本相撲連盟にさまざまなアイデアを提案して実現にこぎつけた。

 大会参加者や入賞者に贈る物品の提供を依頼したのも準備委員の選手たち。女子相撲の普及・発展を願う思いに賛同した企業を約20社集めた。まずは準備委員それぞれの地元企業や家族、知り合い等に依頼。日大相撲部OBで昨年の全日本選手権16強の竹内宏晟(24)の実家である竹内餅店など、アマチュア相撲関係者ゆかりの複数の企業が物品提供で大会に花を添えた。昨年のワールドゲームズ女子軽量級で世界一に輝いた奥富夕夏(24)は、5社のスポンサーを獲得。仕事や稽古の合間を縫い、資料を作ってプレゼンするなどさまざまな工夫を凝らして奔走し“営業実績”を得た。

 大会参加者の募集は委員長の太田麻乃さん(36)と副委員長の松浦みな美さん(31)姉妹らが中心となって行った。相撲未経験者が参加する「腕に覚えありの部」の出場選手は、運営側からスカウトした者がほとんど。インスタグラムの公式アカウントからDMを送るなど“直接交渉”で募った。競技の発展に必要なことは、知ってもらい、楽しんでもらい、支援してもらうこと。それをトップレベルの選手たちが苦労しながら経験した。

 この日は早朝から一日通して受付や放送係、記録係などをそれぞれが休みなく兼務。準備委員の8人に加え、鳥取城北高女子相撲部のメンバーも加わって前日は約8時間に及ぶ会場設営やリハーサル、この日は大会終了後に約3時間かけて片付けや特設土俵の解体、撤収作業まで行った。

 昨年のワールドゲームズ重量級3位の実績を持つ久野愛莉(23)は、準備委員を努めながら選手として今大会の重量級と日本一決定トーナメントで優勝。「今までは選手としてやっていたので、運営の人たちが携わってくれていることに感謝しないといけないなと思いました」と大会運営の大変さを実感していた。

 女子相撲の普及や発展を願う選手の思いを形にした今大会。同じ志を持ったトップ選手たちが力を合わせ、日々多忙の間を縫ってさまざまな準備を重ねて大会を成功させた。大盛況に終わったこの大会がきっかけとなり、女子相撲、そしてアマチュア相撲は今後さらなる発展を遂げるだろう。

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2023年1月1日のニュース