デクラークが日本デビュー「100%じゃない」も攻守と金髪でさすがの存在感 ラグビーリーグワン

[ 2022年12月18日 19:52 ]

ラグビーリーグワン第1節   横浜39―30神戸 ( 2022年12月18日    神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場 )

<横浜・神戸>後半途中出場しパスを出す横浜・デクラーク(右から2人目)(撮影・久冨木 修)
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 昨季6位の横浜は同7位の神戸を39―30で破り、2季連続で開幕戦を白星で飾った。今季新加入した南アフリカ代表の19年W杯優勝メンバーで、“小さな巨人”ことSHファフ・デクラーク(31)は後半14分から途中出場。攻守で存在感を発揮し、上々のリーグワンデビューを果たした。

 試合開始前から主役はデクラークだった。目にも鮮やかな金髪をたなびかせてウオーミングアップのためにピッチに登場すると、スタンドがざわめいた。前半途中にもアップのために姿を現すと、観衆はプレーそっちのけでインゴールにいる小さな巨人に視線を向けた。そして22―13で迎えた後半14分、満を持して途中出場。名前がコールされると、この日一番の拍手と歓声が背番号21に贈られた。

 「満足している。しっかり試合をコントロールできたと思う。課題も何点か出たが、勝ったことが何より」

 登場直後は守りの時間帯が続いたが、そこでも存在感を発揮するのが世界一のSHの真骨頂だ。11月末のイングランド戦で左足首を痛め、全体練習参加はわずか「5回くらい」と言いながら、空いたスペースを埋めるように縦横無尽にスプリントを繰り返し、大きなFW選手にも果敢にタックル。「まだ治療しながら(のプレー)で、100%(の状態)じゃない」と言いながらも、影響を一切感じさせなかった。

 後半26分にはゴール前ラインアウトのチャンス。「(ボールを)手にかけた時にスペースが見えた」と自ら持ち出すと、相手ディフェンス2人を引きつけ、ギャップに走り込んだロックのヒルにラストパスを出しトライをアシスト。「仕掛けようと思った」とデビュートライを狙える状況でも冷静な判断を下し、終盤まで取って取り返されての展開の試合で、貴重な追加点をもたらした。

 豊富な運動量や前への仕掛け、SHの域を超えたディフェンス力、正確で飛距離の出る左足キック、さらには時には乱闘も辞さない強気さと、あらゆる場面で存在感を発揮するデクラークにとって、この日の26分間はほんの顔見せだ。「練習をやればやるほど、もっとフィットしてくると思う」とさらなるパフォーマンスの向上を約束。次戦は“クリスマスマッチ”となる25日の東京ベイ戦(昭和電ド)。「優秀な選手がそろっているので、しっかり分析して臨みたい。あとはクリスマスも楽しみだね」と笑顔で語り、その目と髪を輝かせた。

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2022年12月18日のニュース