埼玉 松田で快幕 1T2Gの9得点 連覇へ司令塔が帰ってきた

[ 2022年12月18日 04:45 ]

ラグビー リーグワン1部 第1節   埼玉22ー19BL東京 ( 2022年12月17日    熊谷 )

<埼玉・BL東京>後半、抜け出して独走した松田(右)がトライを決める
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 2季目のシーズンが開幕し、3試合が行われた。初代王者の埼玉はBL東京との接戦を22―19で制し、連覇に向け白星発進。左膝前十字じん帯断裂から復帰したSO松田力也(28)が1トライ2ゴールの9得点をマークした。手術後のトレーニングで肉体的に進化。日本代表通算29キャップの司令塔が、来秋のW杯フランス大会へつながるシーズンで復活を印象づけた。

 楕円(だえん)球の季節が、埼玉の司令塔が、“ラグビータウン”熊谷に戻ってきた。松田は負傷した昨季最終節の東京ベイ戦(5月7日)以来となる公式戦。極寒のグラウンドを縦横無尽に駆け回り「この日を心待ちにしていた。開幕に絶対に間に合わせたいと思っていた」と声が弾んだ。

 最大の見せ場は12―16で迎えた後半15分。敵陣右10メートルライン付近でパスをもらい、そのまま約40メートルを走り切り一時逆転のトライ。相手ディフェンスラインの穴を見抜き「“勝負だな”という判断だった」とうなずいた。

 5月下旬の膝の手術後は約3カ月間、フッカー堀江らを指導してきたアスレチックトレーナーの佐藤義人氏とともに開幕戦に照準を合わせた。傾斜での有酸素運動や自重の筋力トレーニングで左足強化。術後48センチだった左太腿の周囲は57センチまで大きくなった。この日の快足トライも「昔だったら走り切れていない」と松田。進化した姿に堀江が「(膝関節を伸展する)内側広筋がめっちゃついてる」と驚いた。

 熊谷駅には開幕に合わせ垂れ幕が登場した。合言葉は「熊谷から再び、最高峰へ」。W杯を前に、連覇を懸ける今季。松田は「ここがゴールではない。まだまだ積み重ねたい」と先を見据える。この日は新たなスタートラインにすぎない。

 ≪後半粘りきれず≫BL東京は前半を16―12とリードしたが、後半はペナルティーを重ね逆転負け。トッド・ブラックアダー・ヘッドコーチは「後半は(相手に)プレッシャーを積み上げきれなかった」と振り返った。ただ多数の日本代表選手がそろう昨季王者に対し、FW第1列にはフッカー原田ら大卒1、2年目の選手3人を並べての善戦。フル出場で1トライも記録したNo・8リーチも「大活躍してくれた。ハードな練習を乗り越えた(成果)」と目を細めた。

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2022年12月18日のニュース