元幕内・旭日松の桐山親方 笑いあり涙ありの断髪式 盟友・高安からのビデオメッセージに爆笑

[ 2022年12月3日 15:42 ]

元幕内・旭日松(中央)に止めばさみを入れる師匠の大島親方(右)=撮影・前川 晋作
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 昨年夏場所限りで現役を引退した元幕内・旭日松の桐山親方(33=大島部屋)の断髪式が3日、東京・両国国技館の本土俵で行われた。日本相撲協会や後援会の関係者ら約370人がはさみを入れ、最後に現師匠の大島親方(元関脇・旭天鵬)が止めばさみを入れた。

 15歳で入門した桐山親方はまげを結うようになってから約17年。「ちょんまげ姿の方が人生の中で長いから“あ、取れちゃった”みたいな」と、大銀杏との別れは不思議な感覚だった。この日から冬巡業が始まったため幕内力士は不在。それでも、同じ伊勢ケ浜一門の宮城野親方(元横綱・白鵬)ら20人もの親方が駆けつけた。「親方衆が快く来てくれたのが凄くうれしかった」と感謝した。入門時の師匠である2代目大島親方(75=元大関・旭国)も来場。「“俺は行かんよ”って言っていたのに、足が悪い中まさか来てくれるとは。“こうちゃんお疲れさん”って土俵の上で言ってくれるだけでグッときました」。師匠とのやりとりを感慨深く振り返った。

 断髪式後に大広間で開かれたパーティーでは、この日来場できなかった幕内・高安(32=田子ノ浦部屋)から届いたビデオメッセージが披露された。高安は同学年で05年春場所初土俵の同期。「同じ15歳でこの世界に入って切磋琢磨してきた、親友であり戦友」として「一緒に幕内の土俵で戦った日々を思い出します」としみじみ語る映像が流れた。高安は「本当はまだ一緒に相撲を取って若手の壁になりたかった」と語ると下を向いて涙…。しかしこれは演技で直後に変顔を披露。盟友からの粋なメッセージに会場は爆笑に包まれた。

 会の終盤には、桐山親方の長男・松嶋虎之介君(8)から父へ感謝の手紙が読まれた。「ケガしても僕たちのためにずっと頑張ってくれてありがとう。これから一緒に床屋さんに行けるから楽しみです。世界で一番怖くて、世界で一番優しくて、世界で一番おもしろいパパが大好きな虎之介より」。これを聞いた同親方はこらえきれず涙。他の出席者からもすすり泣く声が聞かれ、感動に包まれた。

 開催が決定した時の会見では、「来てもらった皆さんを笑って迎えて泣いて帰す」とコンセプトを語っていた。その言葉どおり、明るい性格の桐山親方らしく、笑いあり、涙ありの断髪式となった。

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2022年12月3日のニュース