新入幕・熱海富士が半泣きで64番の猛稽古 師匠や照ノ富士の厳しい指導に「できない自分が情けない」

[ 2022年11月7日 18:17 ]

泣きながら照ノ富士(左)の指導を受ける熱海富士(撮影・前川 晋作)
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 大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)を新入幕で迎える熱海富士(20=伊勢ケ浜部屋)が7日、東京都江東区の同部屋で稽古を行った。

 猛稽古で知られる伊勢ケ浜部屋ではこの日、幕内・照強(27)が29番、幕下・輝富士(23)が40番など、他の部屋と比べて多くの番数をこなした。その中でも熱海富士はこの日最多の64番。「若い衆と最初やって自分だけ二部練みたいな感じでやっているので(番数は)自然と多くなる」と幕下力士の申し合いから参加。後半では幕内上位の翠富士(26)や錦富士(26)らと熱のこもった稽古を繰り広げ、全体の稽古終了まで2時間以上取り続けた。「関取に上がっても、若い衆の時より番数を減らさないように」と自らの意志で猛稽古。入門から2年が経ち、もう慣れたかと思えば「今でもキツいです。毎日ギリギリです」と苦笑いしていた。

 先週の番付発表時の会見では、同席した師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)から「同じこと何回言ってもできないですから」と厳しい評価を受けていた。この日も、得意とする左上手の取り方を何度も注意された。「足を出さないと(上手を)取れないんだよ。なんでやらないんだ」と厳しい叱責(しっせき)。申し合い稽古の中で繰り返し試すがなかなかうまくいかず、横綱・照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)からも「立ち合いから言われたことやれよ」と声を飛ばされた。本場所中は勝てば満面の笑みを浮かべ、負ければ今にも泣き出しそうな表情と喜怒哀楽の表現豊かな熱海富士。何度も怒られているうちに、稽古中に半泣きになってしまった。

 厳しい指導は期待の大きさの証。高卒史上最速の所要12場所で新入幕を果たした20歳には、将来の横綱大関候補という声も挙がっている。師匠や照ノ富士に「まだ形ができていない。素質だけで(幕内に)上がってしまっている」と言わせるほどの“未完の大器”だ。上手の取り方について体を使って直接指導した横綱は「鍛えれば鍛えるほど強くなる素直な子」と分析。自ら進んで多くの番数をこなす自主性も評価しており「稽古量がキツくて泣いているわけではない。できないから悔しくて泣いている」と弟弟子の気持ちを推し量った。

 同じ右四つを得意とする横綱から直々に指導を受けた熱海富士は「うれしいです」と貴重な指導に感謝しながら「できない自分が情けないです」と反省した。「自分の形をつくること。“上手を取らないと次のことを教えられない”と言われている」と十分に理解はしている。「本当にどうしようもないですね」と苦笑いする愛嬌たっぷりの表情もまた、人気急上昇中の熱海富士の魅力だ。

 幕内の土俵は初めてとなるが、部屋の兄弟子たちと普段から稽古しており「ずっとやっているので」と怖さはない。「テレビで見ていた有名な人と対戦するのが楽しみ」と初々しく初日を心待ちにした。

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