西村 大会新18アンダーV 1差逃げ切り 海外メジャーに弾み「強くなって戻ってきたい」

[ 2022年7月11日 05:20 ]

女子ゴルフツアー ニッポンハム・レディース最終日 ( 2022年7月10日    北海道 桂GC=6763ヤード、パー72 )

優勝トロフィーを手に笑顔を見せる西村(撮影・会津 智海)
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 3打差単独首位から出た西村優菜(21=スターツ)が4バーディー、2ボギーの70と伸ばし、桂GCでの大会記録となる通算18アンダーで逃げ切り優勝を飾った。6月のニチレイ・レディース以来の今季2勝目、ツアー通算6勝目。この勝利で弾みをつけ、エビアン選手権(21~24日、フランス)とAIG全英女子オープン(8月4~7日、英国)のメジャー2試合に挑む。1打差の2位には68で回った野沢真央(25=愛知製鋼)が続いた。

 単独首位で迎えた最終18番パー4。西村は第2打をグリーン右バンカーに入れた。同組の2位の野沢とはわずか1打差。だが、このピンチにも動じない。足を埋める際に、軟らかく重い砂質を確認。「フェースを開いて、ビビらずに打とう」。スピンの利いた渾身(こんしん)の一打は、ピンそば60センチにピタリ。パーをセーブして逃げ切ってみせた。

 「後半は凄く苦しいラウンドになったけど、最後まで諦めないで良かったです。いつもと違う勝ち方で、自信になりました」

 第2日に8番でホールインワンを奪って首位に立ち、2位と3打差でスタートした最終日。10番までに順調に2つスコアを伸ばした。しかし12番からの連続ボギーで一時は野沢に追いつかれた。一瞬、「ダメかな…」という思いも頭をよぎった。だけど諦めなかった。14番で2メートル、15番で8メートルのバーディーパットをねじ込み、再びリーダーに躍り出る。そして1打の勝負を制し、今季2勝目をつかんだ。

 21歳の気持ちを奮い立たせたのは、1年前のホロ苦い経験だ。初出場した昨年大会も同じように第2日で単独首位に立ったが、決勝で伸ばせずに5位。大会を終えると母・枝里子さん(47)の前でポロポロ涙を流したという。リベンジを期した舞台で結果を残し「凄くうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 今週中に渡欧し、メジャー2試合に挑む。海外対策として、リーディングエッジを削ったウエッジをこの大会で新投入。北海道の洋芝で結果を残し、「違う芝で対応できたのは自信になる」とも言った。18年の世界アマ(アイルランド)以来の欧州での試合。当時は「試合は楽しかったけど、牢屋(ろうや)みたいなホテルで」と笑う。今回は快適なホテルが用意されているそうで、準備も万端だ。

 大一番に向けて弾みのつく勝利。西村は「いい経験ができると思うけど、それだけで帰ってきたくない。いいニュースを届けられるようしっかり頑張って、もっと強くなって戻ってきたい」と力強く宣言した。

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2022年7月11日のニュース