【玉ノ井親方 視点】朝乃山は3場所連続優勝して十両に戻れるかどうか 恩返しの気持ちで…

[ 2022年7月11日 19:36 ]

大相撲名古屋場所2日目   ○朝乃山(寄り切り)剛士丸● ( 2022年7月11日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

<名古屋場所・2日目> 土俵下で上を見つめる朝乃山 (撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 7場所ぶりに本場所の土俵で相撲を取った朝乃山。長いブランクに加え、三段目で勝って当然のプレッシャーもあり、土俵に上がるまでは独特の緊張感があっただろう。ただ、それ以上に観客の温かい拍手と、もう一度相撲を取れるという喜びが、何より大きな力になったはずだ。

 相撲は完勝だった。押されることもなく、右を差して前に出ていきながら、最後は左で前まわしも引いて寄り切った。

 体は以前に比べ、大きく見えた。しかし張りは若干なかった。稽古で絞っているとは思うが、どうしても稽古相手は限られる。順調に番付を上げていくには、さらに稽古内容を充実させていく必要があるだろう。ただ右四つの自分の形を持っているのは心強い。胸から当たって右を差し、左上手を取って、引き付けながら前に出る形を磨いていけば、間違いなく力は出せる。

 元の地位に戻るまでは長い道のりになるだろう。今場所から3場所連続優勝して、ようやく十両に戻れるかどうか。さらに再入幕、幕内上位、そして三役と駆け上がっていくのは大変だ。だが、すべては自分がまいた種。心配をかけた周りの人や応援してくれている人たちに恩返しをする気持ちで一歩ずつ前に進んでほしい。(元大関・栃東) 

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月11日のニュース