義足の女性ランナーが102日間連続のマラソン完走に挑戦中 ボストンマラソンが92日目

[ 2022年4月15日 15:28 ]

102日連続フルマラソンに挑戦中のジャッキー・ハントブロールズマさん(AP)
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 米アリゾナ州在住の義足のランナー、ジャッキー・ハントブロールズマさん(46)が「102日間連続のフルマラソン完走」という世界記録に挑戦している。AP通信が報じているものでジャッキーさんは1月17日にこの挑戦をスタート。今週にはいって85日連続をクリアしたときにはネット内の支援者から「朝食にマラソンを食べているような日常ですね。刺激を与えてくれてありがとう」という驚きと感謝のメッセージが寄せられた。

 南アフリカ出身のジャッキーさんは、オランダ出身の夫、エドウィン・ブロールズマさんとオランダで生活していた2001年(当時26歳)に「ユーイング肉腫」というガンだと診断されて左脚の膝から下を切断。しかしスポーツ歴はなかったにもかかわらず6年前からカーボン製の義足を装着して走り始めた。そして距離の長いウルトラマラソンのランナーに転身。トレッドミル(ランニングマシン)の上で初めて100マイル(160・9キロ)を走破(23時間38分)した義足のランナーにもなった。

 当初は米バーモント州在住で健常者のアリサ・エイモスクラークさんが2000年に樹立していた「95日連続のフルマラソン」の世界記録を更新するため「100日連続」に目標を設定していたが、今週に入って英国のケイト・ジェイデンさん(35)が「101日連続」を達成したために「102日連続」に変更。42・195キロの距離を走っているのはもっぱらアリゾナ州フェニックス郊外のギルバートの自宅周辺のロードとトレイルだが、天気が悪いときにはトレッドミルの上で黙々と走っていると言う。

 「体の一部がなくなったことを受け入れるのはとても辛かった。でも走ることで人生が変わりました。義足のランナーとしての自分を受け入れると自由を感じるんです。人間って自分が思っている以上のことができるもの。自分が走ることで多くの人がやすらぎを感じて前に進めるようになってくれることを望んでいます」と語るジャッキーさんを、エドウィンさんと2人の子どもたちがサポート。18日に出場するボストン・マラソンが記録挑戦中の唯一の公認レースとなるが、その日は92日目で、驚異の世界新記録を狙うジャッキーさんは大会前日もそして翌日も42・195キロを走ることになっている。

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