松山 王者として戦った4日間 誇りの完走 グリーンジャケット「また外に持ち出せるように」

[ 2022年4月12日 05:30 ]

米男子ゴルフ マスターズ最終日 ( 2022年4月10日    ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=7510ヤード、パー72 )

メジャー初制覇を果たし、前年優勝者の松山英樹(右)にグリーンジャケットを着せてもらうスコッティ・シェフラー(ロイター)

 14位から出た松山英樹(30=LEXUS)は5バーディー、5ボギーの72で通算2オーバーの14位となり、史上4人目の大会連覇はならなかった。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(25=米国)が71にまとめ、通算10アンダーで第2日からの首位を守ってメジャー初優勝を飾った。

 グリーンジャケット姿で出席した表彰式。松山はシェフラーに栄光のジャケットを着せると、笑顔で祝福の握手を交わした。首痛で出場すら危ぶまれる中、王者の意地を見せた1週間が幕を閉じた。

 「4日間できてよかった。なかなかいいプレーができなかったけど、悪くてもこの位置で回れてよかった」

 3月上旬、首周辺に痛みが発症。岩井幹雄トレーナー(35)に加え飯田光輝トレーナー(45)が日本から駆けつけ、2人態勢による懸命のケアで間に合った。72ホールを戦ったのは1カ月ぶり。「よく痛みなく、72ホールできた。トレーナーに感謝したい」と頭を下げた。

 「1カ月くらいまともにゴルフができなくて。体力的というより、精神的にちょっとしんどかった」。支えになったのはマスターズ覇者の誇りだ。メジャー4勝のブルックス・ケプカ(米国)に今年、言われた。「いいよな。グリーンジャケットを持っていて」。選ばれし者でも憧れる、特別なタイトルが松山を突き動かした。

 第2日は2位に浮上。最終日の出入りの激しい内容は、攻めの姿勢を貫いた証だ。最終18番グリーンでは、スタンディングオベーションで迎えられた。全身全霊で挑んだ松山を称える拍手だった。

 優勝から1年間持ち出し可能だったグリーンジャケットは、今後はオーガスタで保管される。「ここに来れば僕は着られる。皆さんには見せられないけど」と笑った。「でも、また頑張って、外に持ち出しできるようにしたい」。2着目のジャケット獲得への戦いはこの日、再び始まった。

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2022年4月12日のニュース