小林陵侑「めっちゃ、よくやったと思う」2度目総合優勝 史上12人目の複数回V 最終戦8位も2位に大差

[ 2022年3月28日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ男子個人最終戦 ( 2022年3月27日    スロベニア・プラニツァ ヒルサイズ=HS240メートル )

個人総合優勝を決め、トロフィーを手に笑顔を見せる小林陵(AP)
Photo By AP

 北京五輪で金銀2個のメダルを獲得した小林陵侑(25=土屋ホーム)が、18~19年シーズン以来、3季ぶり2度目の総合優勝を果たした。最終戦は8位で終えたが、カール・ガイガー(ドイツ)らを抑えて世界で12人目の複数回優勝者の仲間入りを果たした。佐藤幸椰(26=雪印メグミルク)が今季初の表彰台となる2位に入った。

 第21戦以降は7戦連続で勝てず。この日も2回目で飛距離を伸ばせずに8位に終わったが、シーズンを通じて競い合ったガイガーを振り切り史上12人目となる複数回の総合優勝。五輪ではかなえられなかったが、岩手から招待した両親の前でクリスタルトロフィーを掲げ「めっちゃ、よくやったと思う。(喜びと安どと)どっちも同じくらい」と自分自身を称えた。

 自己最高のシーズンになったが、昨年11月には新型コロナウイルス検査で陽性になり2戦欠場。シーズン中は一度も帰国できず、欧州のライバル勢に比べ圧倒的不利な状況に置かれながらも8勝を挙げた。「一回も(日本に)帰れずタフなシーズンだった」。五輪、W杯総合、ジャンプ週間の主要3タイトルを同一シーズンで制したのは、史上6人目の快挙。逆境を力に変え、出場全戦で10位以内に入る安定感を見せた。

 計13勝を挙げて総合優勝を果たした3季前にブレーク。その後の2シーズンも3勝ずつを挙げ、五輪イヤーに再びピークを合わせ、タイトルを総なめした。所属で監督を務める師匠の葛西紀明も「シュリーレンツァウアーの全盛期より上」と、男子最多のW杯53勝を誇るオーストリアの名手の名を挙げ称える。まだ25歳の小林陵。これからもスキージャンプ史に新たな歴史をつくっていく。

続きを表示

2022年3月28日のニュース