大阪、新リーグ発足10試合目にして待望の実施試合初勝利 タイラー・ポール2トライなどで競り勝ち

[ 2022年3月19日 19:26 ]

ラグビーリーグワン第10節   大阪15―10東葛 ( 2022年3月19日    ヤンマースタジアム長居 )

 11位・大阪(旧NTTドコモ)がNo・8タイラー・ポール(27)の2トライなどで10位・東葛(旧NEC)に競り勝ち、新リーグ発足10試合目にして待望の実施試合初勝利を挙げた。

 ノーサイド後、選手全員で組んだ歓喜の円陣の輪の中には、プロップ金廉(25)、この試合がリーグ戦デビューとなった途中出場のFB王子拓也(26)ら感極まって涙を流す選手の姿もあった。

 「メンバー外の選手も含めてみんなこのグラウンドに立ちたいと願う気持ちが強かったと思う。この勝利に対してみんなの感情が爆発したんだと思う」

 負傷のローレンス・エラスマス(28)に代わってシーズン開幕から主将の重責を担うフッカー、フランコ・マレー(29)がチームメートの思いを代弁した。

 今月16日に大阪と浦安(旧NTTコム)の今季終了後のチーム再編成が発表された。これにより来季以降はリーグワン1部優勝を目指すNTTグループのシンボルチームが浦安を拠点に。NTTドコモの社員中心のチームが大阪を拠点に同3部から再出発することが内定した。

 この日の東葛戦も含めリーグ戦7試合を残したこの時期の再編発表。選手、スタッフの間にも少なからず衝撃が走ったが「もちろんメンタル的には大きな負担となる試練ですが、自分たちでコントロールできないことを気にしても仕方ない。不安に駆られて自分にプレッシャーを掛けても物事はうまくはいかないと思います」と就任2季目のヨハン・アッカーマン・ヘッドコーチ(51)。選手には東葛戦を迎えるに当たって「日々、健康でやりたいことを思い切りできる。ラグビーができるそのこと自体に感謝して戦おう」と話したという。

 この日は前半を7―10の劣勢で折り返しながら後半5分、フランカー李智栄(27)の執念のキックチャージによりインゴールで転々とするボールをタイラー・ポールが押さえて逆転。15―10の1トライ差で迎えた後半35分以降は途中出場のNo・8ナエアタ・ルイ(28)が再三の猛タックルでチームの窮地を救ってノーサイド。雨による悪条件下、これまで課題としてきた終盤の集中力でも進境を見せた。

 昨年12月23日に追加入団を発表しながら新型コロナウイルス感染再拡大の影響などにより来日できなかったスコットランド代表CTBニック・グリッグ(29)もこの日ようやく先発で大阪のキャップ1を獲得。主力の故障が相次ぐ中、明るい材料も出てきた。

 「選手としては一戦一戦集中していくしかない。シーズンが終わった時にいい結果を残せるよう日々努力するだけ」

 大阪にとっての「いい結果」とは何か。モチベーションの維持が難しいシーズン終盤戦だが、マレー主将は前を向いている。

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2022年3月19日のニュース