「荒れる春場所」主役に名乗り!琴ノ若  祖父・琴桜譲りの激しい立ち合いで1敗死守

[ 2022年3月19日 05:30 ]

大相撲春場所6日目 ( 2022年3月18日    エディオンアリーナ大阪 )

<春場所6日目>千代翔馬(左)を上手投げで破る琴ノ若(撮影・後藤 正志)
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 平幕・琴ノ若が千代翔馬を上手投げで破り、全勝・高安との1差を守った。祖父が元横綱・琴桜、父が元関脇・琴ノ若(現佐渡ケ嶽親方)という“角界のエリート”が、照ノ富士の途中休場で横綱不在になった「荒れる春場所」の主役をうかがう急成長ぶり。優勝争いは、志摩ノ海を押し出した高安を琴ノ若、御嶽海ら1敗の3人が追っている。

 祖父の異名「猛牛」を思わせる厳しい立ち合いだった。千代翔馬を上手投げで退け、5勝目を挙げた琴ノ若が取組後、胸を張った。

 「攻められるから、出せるものがある。内容がいいとは言えないが、辛抱してできました」

 立ち合いで鋭く踏み込み、千代翔馬を押し込んだ。土俵際で残され、組み合うと相手得意の左四つ。しかも右上手は一枚回し。それでも千代翔馬が足技にきたところをこらえ、即座の上手投げ。豪快に土俵へ沈めた。

 6日目での5勝は12勝して敢闘賞に輝いた昨年名古屋場所以来。11勝で2度目の敢闘賞に輝いた、今年初場所に続く2場所連続の躍進を印象づけた。

 昨年秋場所で左膝を痛め、途中休場した。翌九州場所も6勝止まり。以来、取り口の改革に着手した。「(部屋の)親方衆に教えてもらって相撲内容、悪い癖を見つめ直しました」。父親譲りの1メートル88、165キロの体格を生かした受けの相撲から攻めへ。20年11月場所までの現役時代、稽古もつけた秀ノ山親方(元大関・琴奨菊)は言う。「膝へ負担をかけないためにはどう取ればいいか。前へ出ることの大切さ。そこへの気づきだと思う」

 体のケアや下半身強化への意識の高まりに加え、「天才的な柔らかさ。いくら強く当たっても波のように押し返せる」(秀ノ山親方)という身体的特徴をミックス。「ガンガン前へ出てほしい」と弟弟子へ「荒れる春場所」の主役を期待した。

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2022年3月19日のニュース