宮里藍さん「スポーツを通じて広がる人の可能性に興味」スポーツ界けん引する役割を期待

[ 2022年3月19日 08:00 ]

出産後初めて公の場に姿を見せ、トークショーに出演した宮里藍さん(撮影・福永 稔彦)
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 【福永稔彦のアンプレアブル】17年に現役を引退した女子ゴルフの宮里藍さん(36=サントリー)が12日、横浜市内で開催されたブリヂストンスポーツのイベントに出演した。

 昨年12月に長女を出産後、初めて公の場に姿を見せた宮里さんは「育児メインで日々過ごしている」と近況を報告した。最近、9カ月ぶりに練習を再開したそうで「感覚が全然違っていたので、自分のゴルフを取り戻すのに時間がかかる」と苦笑いを浮かべた。

 同い年の横峯さくらは出産後約3カ月でツアーに復帰した。宮里さんは「自分が当事者になって、凄いことをやっているんだなと身を持って感じる」とリスペクトの意思を示しながらも、自身の現役復帰については「無理」と笑顔で否定した。

 現在はジュニア育成に力を注いでおり、ジュニア年代の女子を対象にした大会「宮里藍インビテーショナル」を立ち上げ、大会中にレッスン会も行っている。

 ゴルフ以外にも活動の場を広げている。昨夏の東京五輪ではキャスターに挑戦。パラリンピックにも刺激を受けた。「五輪はもちろんそうだけど、パラリンピックに感銘を受けた。スポーツを通じて広がる人の可能性に物凄く興味を持っている」と目を輝かせた。

 流ちょうな英語を話し、コミュニケーション能力が高く、海外選手からの人望も厚い。12年には、選手間投票で選ばれ、米ツアーの模範的な選手に贈られる「ウィリアム&モージー・パウエル賞」をアジア人で初めて受賞している。ゴルフ界において希有な存在であり、コースを離れても有能な人材である。

 引退翌年の18年に東京五輪代表女子担当コーチ就任を打診されながら、指導経験がないことを理由に辞退したが、今後も様々なオファーが届くだろう。「いろんな競技に刺激を受けている」と語る宮里さん。将来的にはゴルフ界にとどまらず、日本のスポーツ界全体をけん引する役割を担うことも期待している。(スポーツ部専門委員)

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