小平 現役続行宣言、35歳が決断「もう一度自分の体を取り戻して氷に立ちたい」

[ 2022年3月15日 05:30 ]

スピードスケート W杯最終戦最終日 ( 2022年3月13日    オランダ・ヘーレンフェイン )

女子500メートルで5位に入った小平(AP)
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 女子500メートルで小平奈緒(35=相沢病院)は37秒70で5位だった。表彰台を逃したが、年間10レースで争う種目別総合は2位。今季最終戦を終え、来季の現役続行に意欲を見せた。女子1000メートルは北京五輪金メダルの高木美帆(27=日体大職)が1分13秒28で優勝。男子500メートルは新浜立也(25=高崎健康福祉大職)が34秒48で優勝し、北京五輪銅メダルの森重航(21=専大)は34秒63で3位に入った。

 苦しんだ五輪シーズンを終えた直後だが、小平の腹は固まっていた。今季最終レース直後に進退に言及。「4年の区切りではあるので所属先やスポンサーの方々と話をしないといけない」とした上で「もう一度自分の体を取り戻して氷に立ちたい思いがある」と視線を上げた。事実上の現役続行宣言。「帰ってからまたトレーニングしたい」と続け、思わず笑みがこぼれた。

 この日は500メートルは5位。続く1000メートルは終盤の失速で6位に終わった。1月中旬に右足首を捻挫。十分な練習を積めず、2月の北京五輪は連覇を狙った500メートルが17位、前回銀メダルの1000メートルも10位に沈んだ。ケガの影響でスタートが決まらず、シーズン終盤は苦戦したが、今季W杯500メートルは10レース中7回表彰台に上がり、種目別総合2位。1000メートルも種目別総合3位に入り「500も1000もシーズンを通して高いレベルで戦えた。誇りに思いたい」と胸を張った。

 開催地オランダは過去に拠点を置いた「第二の故郷」。熱狂的な観客が聖地のリンクを囲み「疲れよりも凄く気持ち良く滑れた」と晴れやかな表情を浮かべた。500メートルで国内外で37連勝した18年平昌五輪前後のような圧倒的な強さはないが「スケートが大好き」の気持ちには全く衰えがない。カーブの技術やレースに向けた準備、振る舞いなど後進に伝えられることはまだまだ多い。35歳の大ベテランの決断は日本スケート界にとっても明るい材料となる。

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2022年3月15日のニュース