銀のロコ 満足感、達成感より「感謝」あふれる「たくさんの方に気持ち伝える時間を」

[ 2022年2月24日 05:30 ]

銀メダルを手にするカーリング女子のロコ・ソラーレ。左から石崎琴美、藤沢五月、吉田夕梨花、鈴木夕湖、吉田知那美(日本カーリング協会提供)
Photo By 提供写真

 北京五輪のカーリング女子で史上最高の銀メダルを獲得した日本代表(ロコ・ソラーレ)のスキップ藤沢五月(30)らが23日、オンラインで取材に応じた。9月末からの海外遠征を銀の輝きで締めくくり、メンバーは21日に帰国。感謝の言葉を並べながら、夢の舞台を振り返った。

 日本カーリング界の歴史を塗り替えたメンバーの胸を支配していたのは、歓喜や満足感、達成感とは違う感情だった。スキップ藤沢が「最後までチーム全員で戦い切れて感謝している」と言えば、「不思議な17日間だった。日本の皆さんに感謝の気持ちでいっぱい」とサード吉田知。仲間、コーチらスタッフ、そして日本からの応援に対しての「感謝」があふれ出た。

 9月末から日本を離れ、カナダ合宿やオランダでの世界最終予選を経て、北京五輪を銀メダルで締めくくった。約5カ月ぶりに帰国し、今は新型コロナウイルス感染予防のため自主隔離の日々を過ごす。43歳で冬季五輪の日本勢最年長メダリストとなったフィフス石崎は、「全員がコロナにかからず健康で、アイスに立っている4人がケガなく無事に終われて良かったとホッとしている」と安どの表情を浮かべた。

 銅メダルを獲得した4年前の平昌は、帰国時に大勢に出迎えられるなどのフィーバーがあったが、隔離中の今回は盛り上がりを肌で感じることができない。「帰ってきたばかりで、あまり周りの方と触れ合う、お会いする機会がない。カーリングが注目された実感がない部分はある」とした藤沢は「隔離が終われば、たくさんの方に感謝の気持ちを伝える時間が欲しいと思っている」と続けた。

 泣き笑いで列島を明るく染めたチームは、これからもポジティブに歩む。「どんな状況でも前向きに捉えてやっていけば好機に転換することが多い。これからも大事にしていきたい」と吉田知。春に海外遠征の可能性もあるが、凱旋試合は5月にチームの拠点・常呂で開催される日本選手権。季節は巡っても、ロコらしさは変わらない。

続きを表示

2022年2月24日のニュース