相撲界も変革が必要やで 二所ノ関親方には、新しい時代を象徴する指導者になってほしいな

[ 2022年2月23日 08:00 ]

鳥内秀晃氏
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 【名将・鳥内秀晃の人間話 頼むでホンマ】北京五輪の話からしよか。いろいろあったけど、とにかく疑惑にまみれすぎやわ。不可解な判定にドーピング疑惑…。高梨沙羅選手のスーツ規定違反もおかしいわな。それぞれの競技でちゃんとルールがあるのに、五輪で変えられたら、選手はたまったもんちゃうで。とても「アスリート・ファースト」の大会とはいえんわな。

 ドーピングに関して言うと、15歳の選手が自分でやるわけないやん。関与した周囲の大人は、将来、身体に及ぼす影響を考えたことあるんかな。やっぱり五輪に出場できる年齢は、もっと引き上げた方がええんちゃう。自分で判断できる成熟さも必要やし、小さい時から競技に打ち込みすぎるのも、どうかと思うで。大人の金儲けのために、子どもを利用したったら、かわいそうやわ。選手の未来を左右するほど、指導者の存在は大きいもんやねん。

 五輪が終わって、3月は大相撲の春場所があるな。二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)には、指導者として頑張ってほしいな。親方はアメフトが好きで、現役の時から親交があんねん。相撲の世界かて、伝統を守るんはええけど、見直した方がええんちゃうかなと思うこともあるわ。

 例えば、部屋に土俵が一つしかないから、力士が多いとこは稽古量が限られてまうやろ。横で座って見てる親方かて、あれこれ指導してるけど、真意が力士に伝わってるんかは疑問やわ。力士も「ハイ」と返事してるだけで、どこを直さなあかんのか理解してへんかったら、また同じ失敗してまうねん。

 せやから、以前、二所ノ関親方には、土俵をいくつか作って、あらゆる角度からビデオ撮ったら、弱点とかもっと分かるでって話はしたことあるんよ。それと、本場所の土俵も、改善してほしいな。昔とちごて、力士の大型化が進んでいるから、土俵下に落ちたら、大ケガする確率が大きいねん。土俵の丸い部分の外側を最低1メートル広げたら、ケガが減って、力士生命も延びるんちゃうかな。

 最後に、前回のコラムで阪神・百北幸司社長の話したやん。一つ提案やねんけど、阪神の年間シート席を買った人に、甲子園ボウルの招待券をつけてくれへんかな。普段野球しか観いひん人も、招待券がついてたら、「ちょっと行こか」ってなるやん。ライブでアメフトの迫力を感じてもらったら、ファンも増えるのにな。一考してや。頼むで、ホンマ。(関西学院大アメリカンフットボール部前監督)

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2022年2月23日のニュース