陵侑、復帰2戦目で今季2勝 北京五輪金メダルへ復活V「ここから頑張りたい」

[ 2021年12月14日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ男子個人第7戦 ( 2021年12月12日    ドイツ・クリンゲンタール=ヒルサイズ=HS140メートル )

小林陵侑は今季2勝目で通算21勝目を挙げた(AP)
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 小林陵侑(25=土屋ホーム)が合計262・8点で優勝した。1回目に129・5メートルでトップに立つと2回目も139メートルを飛んで逃げ切り、新型コロナウイルス検査で陽性となってからの復帰2戦目で今季2勝目。通算勝利数も21に伸ばし、北京五輪で金メダル獲得を狙う日本のエースが強さを見せつけた。

 無観客の会場に叫び声が響いた。「よっしゃー!」。勝負の2回目で、得点が出る前から勝利を確信する会心のジャンプ。小林陵は「しっくりきていなかったけど、ようやくいいパフォーマンスができた」と笑った。

 先月27日に日本男子初のW杯通算20勝目を挙げた後、新型コロナウイルス陽性となり、個人と団体の計3試合を欠場。復帰初戦の11日は横風の影響で7位だった。この日の1回目は雨に「対応できた」と難条件を克服。2回目も踏み切りで「うまく立てた」とヒルサイズに迫り、ともに得点トップの安定感で21勝目を挙げた。

 隔離期間を終え、チームに再合流したのは8日夜。だが飛行機に預けた用具の到着が遅れ、10日の練習の1回目は女子の高梨(クラレ)にヘルメットを借りた。慌ただしい週末だったが、小林陵は「何が起きても動じない」と笑い飛ばした。

 宮平ヘッドコーチは隔離による体への影響は「最小限」とみている。その上で「ここで順位が上がってこないと“おかしいな”と思うかもしれない。勝てたのは気持ちの面で大きい」と精神面でのプラス効果を指摘した。

 混戦模様の今季、初めて2勝目を挙げた選手となった。小林陵は「やっとシーズンが始まったと思って、ここから頑張りたい」と力強くうなずいた。

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