渋野、重圧に勝った!米ツアー来季出場資格獲得「怖かった。2週間やってボロボロ(笑)」

[ 2021年12月14日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー最終予選会最終日 ( 2021年12月12日    アラバマ州ハイランドオークスGC=6677ヤード、パー72 )

来季出場資格を獲得し、笑顔を見せる渋野(左)と古江(共同)
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 29位から出た渋野日向子(23=サントリー)は5バーディー、2ボギーの69と伸ばして通算10アンダーの20位に入り、45位までに与えられる来季出場資格を得た。ほぼフル参戦が可能となるトップ20に食い込み、来季は米ツアーを主戦場とする。古江彩佳(21=富士通)は5位から3バーディー、1ボギーの70で回り、通算18アンダー7位と上位で資格を獲得。来季の米女子ツアーは来年1月下旬から11月下旬まで34戦が予定されている。

 「Hinako Shibuno」と名前が印字されたメンバーカードを両手で大切そうに胸に抱き、満面の笑みでつぶやいた。「うれしい~、本当に良かったあ。これをもらえる日が来るとは」。出場資格獲得だけでなく、より優先順位が高くなる基準の20位に食い込む意地を見せ、万感の思いがあふれた。

 「いい締めくくりができたと思うし、本当にいい経験ができた。ぎりぎり入れて良かった。めちゃくちゃ楽しみです」

 前日は79と崩れ、7位から29位まで後退。珍しく取材にも応じず練習場へ直行し、夜も「最終日を迎えるのが怖かった」という。それでも観客の声援を背に、「取り返すぞ」と自らを鼓舞。8番パー4で第2打を80センチに寄せたのを皮切りに5バーディーを奪い、順位を上げた。8日間144ホールの戦いは平たんではなく「2週間やってボロボロ」と笑いつつ、「収穫しかない」と胸を張った。

 19年に全英女子オープンを制覇。メンバー登録の権利を手にしながら、「戦う覚悟ができていない」と見送った。その後、スポット参戦を重ねる中で、米挑戦への思いが強くなった。昨年オフにはリスクもあるスイング改造を決断。約2年間、勝利から遠のきながらも貫き通した。全ては世界最高峰の舞台で戦うため。「あの時に登録していたら、こんなに自分を追い込むことはなかった」

 最終予選会20位で出場可能な試合に加え、渋野は歴代メジャー覇者の資格で5試合のメジャー大会に出場が可能だ。「目標は…出る試合で勝ちにいきたい。って大口叩いてるけど大丈夫かな、79叩いた人が」と23歳らしく冗談めかして笑った後に、真剣な表情で言った。「でも、それくらいじゃないとシードは獲れない。頑張ります」。22年は米ツアーを舞台に、新たなシンデレラ物語が幕を開ける。

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