体操・橋本、五輪金の貫禄3冠 「日本は強いし、負けられねえな」 24年パリへ跳馬新技「ハシモト」意欲

[ 2021年9月5日 05:30 ]

体操全日本学生選手権最終日 ( 2021年9月4日    静岡県草薙総合運動場体育館 )

鉄棒で力強い演技を見せる橋本大輝(共同)
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 東京五輪で男子個人総合と種目別鉄棒の2冠に輝いた橋本大輝(20=順大)が、五輪後の初戦で金メダリストの貫禄を見せた。団体総合と個人総合の連覇に加え、種目別鉄棒も制して3冠を達成。10月18日開幕の世界選手権(福岡・北九州市立総合体育館)に弾みをつけ、24年パリ五輪に向けて跳馬の新技にも意欲を見せた。

 黄金の輝きは日常を変えた。東京五輪の最終演技だった8月3日から1カ月。「ちょっと生活必需品を買いに行っただけなのに声を掛けられて。五輪で金メダルを獲ると、こういうことになるんだって不思議な1カ月だった」。夢舞台を終えた疲労もあってコンディションは万全でなくても、橋本の強さは変わらなかった。

 順大のユニホームに身を包んだ五輪後の初戦。跳馬は難度を落としてスコアを伸ばせなかったが、個人総合と団体総合で連覇を果たし、種目別鉄棒でも貫禄を示した。08年北京五輪で個人総合銀メダルだった内村航平は、直後のこの大会で2位。「日本は強いし、負けられねえなと思っていた」と闘志を高めていた橋本は、ライバルを寄せ付けなかった。

 五輪を制しても向上心は不変だ。10月18日には個人種目で争う世界選手権(北九州市)が開幕。初出場だった19年は団体総合銅メダルに貢献したものの、個人ではタイトルに届かなかった。「世界選手権でチャンピオンになって、真のチャンピオンになれるように頑張っていきたい」。五輪に続く大舞台に照準を定めている。

 24年パリ五輪に向け、跳馬の最高難度「ヨネクラ」より、半ひねり多い新技にも意欲。来年以降の国際連盟の新ルール次第だが、日本協会の水鳥寿思強化本部長によると、国際大会で決めれば「ハシモト」の名がつく可能性があるという。「体操といったら橋本大輝だろって言われるようになりたい」。先月7日に20歳になった王者は、描く理想へ突き進む。

 ≪20歳の誓い ビール「苦い。炭酸水で」≫先月7日に20歳になった橋本は、「もっと体操を磨いていきたい」と大人の誓いを立てた。競技では圧倒的な強さを見せる一方で、酒には弱いようだ。兄からビールを勧められて飲んだ感想は「苦い」だったと明かし「両親も兄もお酒に弱い。僕は炭酸水でいい」と笑った。

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