史上初無観客五輪が決定 1都3県首都圏会場全て 聖子会長「チケット購入者の皆さまには大変申し訳ない」

[ 2021年7月9日 05:30 ]

5者協議に臨む橋本会長(左)とIOCバッハ会長(代表撮影)
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 23日に開幕する東京五輪は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の首都圏会場が全て無観客となることが8日、決まった。政府が同日、東京都に12日から8月22日までの新型コロナウイルス緊急事態宣言再発令と、3県へのまん延防止等重点措置の継続を決定。大会組織委員会や国際オリンピック委員会(IOC)などが開いた5者協議で合意した。有観客は一部の地方会場のみとなる。東京パラリンピックの観客数の判断は五輪閉幕後に先送りされた。

 専門家から感染リスクを指摘されても有観客にこだわってきた組織委の橋本聖子会長も、史上初の無観客を受け入れた。5者協議後の各自治体との連絡協議会で、政府の決定を「極めて重い判断が示された」と表現。「極めて限定した形での大会開催を余儀なくされたのは大変残念。チケット購入者、地域の皆さまには大変申し訳ない」と謝罪した。

 6月21日の5者協議では東京都などの「まん延防止」が今月11日で解除されることを前提に、観客数上限を政府の方針に準じた「定員の50%以内で最大1万人」と決定。12日以降に緊急事態宣言や重点措置が出た場合は「無観客も含めた対応」を取るとしていた。

 8日の5者協議では小池百合子都知事がまず無観客を申し入れ、首都圏の3県も追随。宮城(サッカー)、福島(野球、ソフトボール)、静岡(自転車)は「50%、1万人」を維持し、茨城(サッカー)は学校連携チケットのみ(夜のセッションは無観客)となった。北海道(サッカー)は検討中という。3月の海外観客受け入れ断念に続く無観客決定で、販売済みのチケット約364万枚はほとんどが無効に。20年3月の大会延期決定時に安倍晋三前首相が約束した「完全な形での開催」はなくなった。

 開幕2週間前の方針変更で運営計画は大幅な見直しを迫られる。観客に対応する予定だったボランティアたちは役割を失い、配置転換が必至。懸案だった熱中症対策の心配は消えるが、売店や観客向けの医療体制、手荷物検査場は不要となり、最大1日1万8000人以上を確保した警備員も見直しが必要だ。

 大きな問題となるのが、約900億円を見込んでいたチケット収入。大幅減は避けられず、組織委が赤字となった場合は東京都が穴埋めし、それでも賄えなければ国が対処することになる。小池知事は「改めて協議が必要と理解している」との考えを示しており、調整は難航しそうだ。

 【東京五輪・パラの観客上限を判断を巡る経過】
 ☆2020年11月12日 新型コロナウイルス対策調整会議で、観客数の上限は、国の方針に準じることを基本に、春までに最終決定することを確認。

 ☆21年3月20日 5者協議で、海外からの一般観客受け入れ断念が決定。観客数上限は4月中に方向性を決めることを確認。

 ☆4月28日 5者協議で上限決定を6月に先送りすることで一致。大会組織委員会の橋本聖子会長が「無観客の覚悟は持っている」と発言。

 ☆5月28日 菅義偉首相が観客を入れる方向で検討すると表明。

 ☆6月16日 緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の解除後1カ月程度の経過措置として、大規模イベントは定員の50%以内で最大1万人とすることが決定。

 ☆18日 政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志が、無観客が最もリスクが低く、望ましいとする提言を政府などに提出。

 ☆21日 5者協議で五輪の観客数上限を決定。定員の50%以内で最大1万人。

 ☆7月8日 東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の会場は無観客開催の方針固まる。

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