内藤雄士の90切りゴルフ【第8回 100ヤード以内のショットを成功させる方法】

[ 2021年5月28日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(右)と野田すみれ
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 好評の内藤雄士コーチのレッスンは読者の皆さまのご要望を受け、今回は拡大版となります。第8回は100ヤード以内のショットを成功させる方法です。ショートアイアンで打てる距離ですが、グリーンを捉え切れないアベレージゴルファーも多いと思います。内藤コーチは腕を使い過ぎることが原因だと指摘します。腕に頼らず体の回転でクラブを上げて下ろす動きを重視すると、狙った方向に打ち出せるとのこと。アシスタント役を野田すみれさんが務めます。

 内藤 野田さんの実力だと、100ヤード以下の距離は確実にグリーンに乗せることができるのでは?

 野田 それがけっこう苦手なんです。やっぱりアッパーブローに打っているせいか、ターフを取れないのが悩みです。

 内藤 これはアベレージゴルファーの方に言えることですが、100ヤード以内の距離をうまく打てない人にはある共通点があります。腕だけを使ってクラブを振っていることです。1Wなどの長いクラブと比べ、クラブが短いため、扱いやすく感じるのが理由でしょう。その結果、インパクトでボールをうまくとらえることができず、ミスショットにつながります。やはり、大きなショットと同じように、体の回転でクラブを上げて下ろす動きを意識することで、ミート率は上がります。

 野田 体の回転ですか?

 内藤 試しにクラブを横にして、肩に当ててみましょう。胸の前で腕をクロスしてバックスイングを行います。背骨を軸にして左肩とクラブの先端が正面を指すくらいのところまで体を回すのが正解です。同様にフォロースルーでも右肩とクラブの先端が正面を指すように体をしっかりと回しましょう。

 野田 要するにバックスイングで胸を右に向けて、フォロースルーでは左に向けるイメージでしょうか?

 内藤 正解です。あとは、両肩と両腕でできる三角形を崩さないことです。体を回さずに腕だけ動かすと三角形は崩れます。逆に、胸の前に両手をキープしながら体を回すと、崩れにくくなります。その際、バックスイングではクラブヘッドのトーが真上から前傾角度と同じくらいになる程度の斜め上を向くこと、フォロースルーでも真上を向くことを心がけましょう。

 野田 実際にやってみると体がスムーズに動きますね。

 内藤 今まではどういうイメージで振っていたんですか?

 野田 インパクト後も胸を下に向けたままにしておき、腕を伸ばしてヘッドを走らせるイメージで振っていました。 

 内藤 その打ち方が間違っているわけではありません。特に、ドライバーショットでは、そのイメージのほうが飛距離を稼げるでしょう。しかし、ショートアイアンはロフトが大きく、ボールがつかまりやすいのが特徴です。その打ち方だと、ボールがつかまり、左への引っ掛けが出る傾向が強いと思われます。やはり、体の回転を意識して、腕はあまり使わないように心がけたほうがミスは少ないでしょう。当然、グリーンをとらえる確率も高くなります。

 (取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)

 
 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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