荒篤山が新十両昇進 12年かけ夢をかなえる「これからもっと上を目指して」

[ 2021年5月26日 11:34 ]

ZOOM会見で笑顔を見せる荒篤山(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、荒篤山(こうとくざん、27)=本名・寺井ジャスパーケネス、荒汐部屋=の新十両昇進を決めた。再十両は3人で、新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反による3場所出場停止処分を受けていた元小結・阿炎(27=錣山部屋=が4場所ぶりの返り咲き。元幕内の矢後(26=尾車部屋)は2場所ぶり、魁勝(26=浅香山部屋)は9場所ぶりにそれぞれ復帰した。

 荒篤山は母の母国フィリピンで生まれ、12歳のときに来日。相撲未経験で09年に入門したが、12年かけて夢をかなえた。中央区の荒汐部屋でリモート会見し「ようやくスタート地点に立てた。これからもっと上を目指して頑張っていきたい」と抱負を述べた。東幕下筆頭で迎えた夏場所は序盤1勝2敗とつまずいたが、師匠・荒汐親方(元幕内・蒼国来)に「自分の相撲を取り切ること。そうすれば結果がついてくる」とアドバイスされ奮起。そこから3連勝で昇進を決めた。ここ2、3年は稽古以外にも地道にトレーニングを行うなどの努力も実り、得意の突き押しに磨きをかけた。荒汐部屋は、現師匠が昨年3月に部屋を継承後、初の関取誕生となった。

 年寄「君ケ浜」を襲名した元関脇琴勇輝、元幕内舛ノ山、元十両高立ら22人の引退も発表された。4月に急性呼吸不全のため死去した三段目の響龍(境川部屋)も含まれる。

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2021年5月26日のニュース