39歳の福士加代子は泣き笑いでフィニッシュ「なんか感動しちゃいました」 5大会連続五輪出場は絶望的

[ 2021年5月3日 19:56 ]

陸上1万メートル日本選手権 ( 2021年5月3日    静岡スタジアム )

<女子1万メートル>ゴール後に、スタンドに手を振る福士加代子=静岡スタジアム
Photo By 共同

 4大会連続五輪出場の福士加代子(39=ワコール)は34分0秒53で最下位の19位。31分25秒00の五輪参加標準記録には遠く及ばなかった。

 この種目で日本選手権7度優勝経験がある福士は序盤から最後尾の苦しい展開。集団から遅れを取り、5000メートル過ぎでトップを走っていた広中璃梨佳(20=日本郵政グループ)に抜かれて周回遅れに。最後は広中、2位の安藤友香(27=ワコール)に2周回遅れとなり、泣き笑いでフィニッシュ。会場からは大きな拍手が送られた。

 福士はゴールの光景に「なんか感動しちゃいましたね」と感慨深げ。経験豊富なベテランでも「全部初めてでした」と語り、「とりあえず一通り全部経験した。1等賞、2、3番を経験して、こんな大きい大会で周回遅れでドベになることもなかったし、最後に拍手をもらうこともなかなかないので。全部経験しました。ふふふ」といつもの笑顔で振り返った。

 マラソンでの五輪代表入りを逃し、トラック種目に切り替えて挑んだ今大会に向けては「何も練習していません。イチかバチかでやってみました。痛いのもあるし精神的にもダメだったのもある」という。それでも「気持ち的には勝負しようという気持ちには変わりなかった。練習していなかったくせにそこは変わらないんですよね。勝負には負けたけど自分には勝った」と苦笑いで振り返り、所属先の後輩の安藤の内定には「良かったよ~。1位とドベなんて明暗で悪いけど、うちのチーム凄い」と喜んだ。

 日本記録を持つ5000メートルでの五輪挑戦については「分からない。終わり良くしようと、どっちでも良いようにちゃんと一礼してきたのでまだ分かりません」と冗談半分で語り、同じく代表入りを逃した鍋島莉奈(日本郵政グループ)に「5000行くなら行く?ともう1回誘われているので、鍋島のお願い次第ですかね」と福士らしく明言を避けた。

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