ラグビー界に衝撃…コカ・コーラ廃部 黒字化見通せず…新リーグ参入申請取り下げ

[ 2021年5月1日 05:30 ]

21年末で活動を終了することになったラコカ・コーラ(共同)
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 ラグビートップリーグ(TL)下部のトップチャレンジリーグ(TCL)のコカ・コーラが、今年限りで活動を終了すると30日、チームを保有するコカ・コーラボトラーズジャパンが発表した。来年1月開幕予定の新リーグへの参入申請も取り下げる。ラグビー界に大きな衝撃が走った。

 同社は活動終了の理由について「飲料ビジネスで中長期的な事業環境の変化に備えて成長基盤を確立するための改革の一環」と説明した。TLではチーム運営に人件費も含めて年間15億円程度が必要とされているが、さらに新リーグでは事業運営能力やホームスタジアムの確保が求められており、負担増が予想される。黒字化への見通しが不透明な中、経営資源を本業に集中させたい本社の意向が反映されての廃部となる。

 コカ・コーラには現在、プロ16人、社員36人の計52選手が所属。選手には今季最終戦となった4月17日の三菱重工相模原戦以降に活動終了が伝えられたという。選手の処遇については「適切なキャリアサポートを提供していく」としており、希望する選手には移籍先の斡旋などを行う。

 発表を受け、新リーグ運営団体の代表理事を務める太田治氏は「ラグビー界全体にとって大きな痛手」などとコメント。24チームとなる新リーグは参入チームが一枚岩ではないとされており今後への影響が懸念される。

 ▽コカ・コーラ 1966年に「日米コカ・コーラ」として創部し、福岡社会人Bリーグに参加。74年から西日本リーグに参加。2000年に全国社会人大会に初出場。06年にトップリーグに初昇格し、同年は10位。09年度に7勝6敗を記録し、チーム最高の8位に。昇降格を経て、18年度を最後にTCLに降格し、今季成績は3位。主な所属選手は19年W杯日本代表のCTBウィリアム・トゥポウ、16年リオ五輪代表のフランカー桑水流裕策、WTB副島亀里ララボウラティアナラら。

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2021年5月1日のニュース