沙羅10季連続V「イェイ!」前日スーツ違反失格の雪辱、今季初勝利でW杯通算58勝

[ 2021年2月7日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第6戦 ( 2021年2月6日    オーストリア・ヒンツェンバッハ ヒルサイズ=HS90メートル )

W杯今季初勝利を挙げ、トロフィーを掲げて喜ぶ高梨
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 高梨沙羅(24=クラレ)が238・4点で今季初勝利、昨季第15戦(20年3月9日、リレハンメル)以来となるW杯通算58勝目を挙げた。1回目に90メートルを飛んでトップに立つと、2回目も90メートルと好ジャンプを2本そろえた。5日の第5戦で1回目にトップの得点を出しながらスーツの規定違反で失格となった悔しさを晴らし、女子W杯が創設された11~12年シーズンから10季連続優勝となる記念のVとなった。

 表彰式で「サラ・タカナシ!」とコールされると、「イェイ」と小さく叫んで走りだした。男女通じてジャンプW杯の歴代最多勝利を更新する58勝目。マスク姿で表彰台に立った高梨の目に安どの色が浮かんだ。

 「今日優勝できたのはうれしいけど、昨日試合に出られなかった悔しさもあるので、それをバネに2戦目につなげた。今は何て言っていいか分からないけど、チームのサポートに感謝しています」

 前日は1回目に全体トップの91・5メートルを飛びながら、まさかの失格通告。予選と同じスーツを着用したにもかかわらず、太腿の部分が規定よりわずかに大きいと判定された。スーツを調整し、気持ちを切り替えて臨んだこの日は1回目に90メートルをマーク。前日にW杯初優勝を飾ったクリジュナル(スロベニア)と同飛距離ながら、ウインドファクター(風補正点)で上回りトップに立った。2回目も90メートルでクリジュナルに0・5メートル劣ったものの、0・4点差で逃げ切り。過去6勝と相性が良い場所で、助走速度の遅い小さなジャンプ台にきっちりと対応した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕は遅れたが、今季の好調は維持している。「今日のリザルトは自分にとって自信になった」。個人初の金メダルを目指す世界選手権(22日開幕、ドイツ・オーベルストドルフ)へ、さらに北京へ弾みをつけた。

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