大相撲緊急事態場所 力士65人休場 試練の15日間が始まった

[ 2021年1月11日 05:30 ]

大相撲初場所初日 ( 2021年1月10日    東京・両国国技館 )

大相撲初場所初日に協会あいさつを行った八角理事長(手前)ら(撮影・西海健太郎)
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 新型コロナウイルスの感染拡 大が続く中、大相撲初場所が10日、東京・両国国技館で初日を迎えた。場所前のPCR検査で感染拡大が判明。力士65人が休場する異例の事態となり、八角理事長(57=元横綱・北勝海)は初日恒例の協会あいさつで、異例の謝罪。さらなる感染拡大なら打ち切りも視野に入る“緊急事態場所”が幕を開けた。

 本場所途中での打ち切りも視野に入れた、試練の15日間が始まった。東京を含めた1都3県は、緊急事態宣言下。相撲協会は初日直前に878人の全協会員を対象としたPCR検査を実施し、九重部屋、友綱部屋の集団感染が判明するなど、全力士665人の約1割に及ぶ65人の力士を休場させて開催する異例の事態で初日を迎えた。

 恒例の協会あいさつで八角理事長(元横綱・北勝海)は「このたびは場所前、相撲部屋において複数の感染者が判明し、多大なご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。いつもは観客に向けたお礼などを簡潔に話すが、この日は謝罪の言葉もあり、約2分30秒の長さとなった。

 文字通り、異例ずくめの場所だ。初日から関取が16人も休場するのは戦後初で、幕内の取組数は21番から18番に減少。さらに深刻なのは十両で、28人のうち9人が休場し取組数は9番に激減した。そのため、初日の取組開始時間は先場所初日より1時間15分も遅い午前9時50分。2日目は午前10時に変更された。

 入場者数も昨年11月の時点では最大5300人とする方針だったが、6日に売り止めとし上限を5000人に制限。通常は払い戻しを認めていないチケットは、今場所に関しては前日までに要望があれば応じるとした。さらに、館内ではちゃんこ販売を再開する予定だったが中止とし、飲食スペースも削減した。力士が使うタオルは、そのまま支度部屋の上がり座敷に直接置かず、袋に入れるように指示。協会員用の食堂で食事をする際は1テーブル1人と指定された。

 地元・両国では「地元民として街の人の流れは気になる。無観客で開催する手はなかったのか」(会社員・久保田裕子さん、34)や「一人一人が感染防止に気を使っているし有観客開催は問題ないのではないか。通勤電車の方が感染の危険性はあると思う」(会社員・折原みなみさん、43)など、賛否さまざまな意見がある。中でも目立ったのは相撲協会に対する「責任と覚悟をもって頑張ってほしい」(会社員・山辺英介さん、55)という声。緊急事態場所の行方は、全国民が注目している。

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