青学大 意地の復路制覇で4位、往路12位から底力 原監督「良い負け方」

[ 2021年1月4日 05:30 ]

第97回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2021年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間109・6キロ )

<箱根駅伝・復路8区>富士山を背に力走する青学大・岩見(撮影・村上 大輔)
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 往路12位と沈んだ青学大が、2年ぶり6度目の復路優勝で総合4位と前年王者の意地を見せた。前日には原晋監督(53)が「ゲームオーバー」と白旗宣言したが、復路優勝に目標を切り替えメンバーが奮起。ケガで走れなかった神林勇太主将(4年)は9区のサポート役に回るなど、指揮官が掲げた「絆大作戦」を体現する走りを見せた。

 前日はどんより曇っていた原監督の表情は、普段通りの明るさを取り戻していた。10区・中倉が一時3位に浮上したが、最後は失速して4位フィニッシュ。それでも駒大に2秒差で復路優勝し「ただでこけないのが原監督。4番のチームに一番(取材に)来ていただいて」と笑った。

 6~8区は3人連続で区間3位の快走を見せ、シード権確保どころか5位にジャンプアップし、9区・飯田貴之(3年)へ。この飯田の給水役を務めたのが、昨年12月28日に右臀部(でんぶ)の疲労骨折が判明した神林主将。本来は他の学生が務める予定だったが、そこには指揮官の熱い思いと親心があった。

 骨折判明後のミーティング。原監督は「仮に(1区の)品川の八ツ山橋で歩いてダメになっても、俺は神林を使いたい」と訴えた。コロナ下の1年間、部をまとめてきたのが神林。卒業後は競技生活に別れを告げ、サッポロビールに就職予定の主将にどうしても最後の箱根路を走らせてやりたい。だがそんな指揮官に対し本人は「僕がいなくても総合優勝を狙える。後輩たちに走らせてほしい」と要望。最後は主将の穴を全員で埋めようと団結した。

 往路12位に沈んだ前夜も、選手たちは「僕たちは強いんだから見ていてください」と原監督に訴えた。指揮官は「絆大作戦は200%じゃなくても、150%成功できた。良い負け方だった」と総括。「また青学が精神的にも強くなったと、ちゃらいだけじゃなく、泥くさいんだと(見せられた)」。しぶとく追い上げた今年の走りが、来年の栄光のゴールへと続く。

 ◇箱根駅伝復路上位成績◇
(1)青学大 5時間25分33秒
(2)駒 大 5時間25分35秒
(3)中 大 5時間28分39秒
(4)早 大 5時間28分47秒
(5)創価大 5時間28分48秒

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