【羽生結弦 合同インタビュー(1)】「世の中の状況を見ながら自分ができる最大限の努力を」
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フィギュアスケート全日本選手権で優勝した14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が26日、男子メダリスト会見終了後に各社の合同インタビューに応じ、胸に秘めた思いを語り尽くした。
――世界選手権のその後のことは考えているか?
「まず、まあ世界選手権があるかどうか、自分にとっては一番大きなことですかね。まあ、うーん。まずは体を動かせるっていうのが一番。やっぱり4回転半を練習することによっての衝撃っていうのは、もの凄くありますし。まあ、そうコンスタントに練習していけるようなものではないので、ある程度しっかりトレーニングしながら体をつくって。まあこの試合に懸けての、この試合に向けての練習は4回転半しないというのを決めていたので。ちょっと何て言うんですかね、試合寄りの体づくりになってしまったので、今アクセルの感覚はちょっとまた変わってきちゃっているとは思うんですけど、またこの試合が終わり次第、体力も回復し次第、しっかり4回転半のための体づくりをしっかりやって、それから練習をして、あとはアクセルがどれくらいできるようになるかですかね。まだできていないんですけど。その今のイメージしている自分のアクセルの幻想と、早く自分の体とのギャップを埋めてつつ。で、できるようになってから、どれだけ跳べるかによってかなと考えています。まあ何よりもなんですけど、何よりも世界選手権が開催されるかどうかもまだ分からないですし。来シーズンの試合がグランプリ含めてどうなっていくか分からないので。とにかく世の中の状況を見ながら自分ができる最大限の努力をしていきたいっていうのが今の気持ちです。その先はまだ分からないです」
――コーチと一緒に練習できない難しさや大切さを感じたものがあれば。
「はい、やっぱり自分だけでは客観視しきれていない部分っていうのは絶対あると思うので。まあ、うーん。こうやって喋っている時だったりとか。それが新聞だとかニュースとかいろんな記事になったり、テレビという媒体から自分の言葉を見たりとかしますけど。その時もやっぱり、あの時もっとこう言っておけば良かったな、ああ言っておけば良かったなって思うように、それと同じようにスケートだってやっぱり自分1人でどうやったって客観視できないところがあるので。そういうところも新しい視点、自分以外からの視点っていう意味ではやっぱりコーチって凄い大事だなって思ったのと。逆に言うとなんですど、これは自分が経験値が豊富にあるからこそ、他の選手たちよりも経験値が豊富にあるからこそ、客観視がしやすいっていう風に思っているんですね。自分自身がどういう風に崩れているのか、どういう状態の時に良い演技ができているのか、悪い演技になっているのか。それをいろいろ考えなおして、コーチがいないながらもその経験を生かし切れたのが、今回の全日本選手権っていう本番の演技とここまで向かっていくにあたってのトレーニングにつながったかなっていう風に思います」
――予定構成について。これまでは後半にコンビネーションを重ねていた。今回は若干前倒し。その狙いは。もし4回転半を入れる場合の構成は。
「まあ4A入れるなら1発目かなと思っているんですけど。まあコンビネーションを前半に今回入れた理由はこっちの方が確率が良いからですかね、簡単に言ってしまえば。あの、この構成を決める前はそもそもループ跳べなかったので、一時期。サルコーすら跳べていなかったし、トーループギリみたいな状況でもあったので、まあ後半に4回転を突っ込んでいる場合じゃないだろう、っていうくらいの時期を経ているからこそ、その1個コンビネーションを前に倒していたっていうのがまず経緯としてあります。その流れで練習していて段々ループ跳べるようになったり、サルコーはもちろん安定していてループがちょっとずつ安定してきた時に、じゃあフリーの構成にループ入れてサルコー入れて。後半トーループ2本コンビネーションにはしていて、最後のアクセルもコンビネーションっていうのも考えてはいたけど。今っていうか、その頃ずっとフリーっていうプログラム自体の全体を見ている時に、最後にコンビネーションを入れるより、前半のアクセルにコンビネーションを入れた方が見た目が良いなっていうのが、まあ一番大きな自分の中の要因です。やっぱりあそこの琴の音から始まっていってちょっと盛り上がって、アクセル跳んで、そのあとループにいくんですけど、そもそも最初あそこはアクセル単発、ループ単発、もしくはルッツ単発、トリプルルッツ単発って考えていたんですけど。何かもっと風が舞い上がるような感じの音が何となく感覚としてあったので、それだったらそこにトリプルアクセルと両手を挙げるダブルトーループからそのままの勢いでトリプルループにいくのが一番表現としてのジャンプになっているかなっていう風に思ったのが今回前半に持ってきた理由です」
――北京五輪が近づいている。現時点での位置づけは。
「率直に言っちゃうとなんですけど、東京五輪できていない今の状況の中で、僕らが、というか僕個人の思いとしては、冬の五輪のことを考えている場合じゃないというのが僕個人の意見。もちろん、スポンサーさんというのもあるし、コマーシャルとか、ホントに国を挙げてやるイベントなので、そこにいろんなお金がかかっているとか。それこそ僕らに知らない世界がそこにはあると思うんですよ。だけど、それに関与していないので。フィギュアスケート競技のスケーターの1人として、オリンピックを言えば、そこはスポーツの祭典じゃなくて、僕にとっては競技の最終目標です。オリンピックって。それだけを考えるのであれば五輪を開催してもらいたいというのはありますし、そこに出て優勝したいっていう気持ちももちろんあります。ただ、その背景に東京五輪すら開催されない現実が今あって。延期しても、それもホントにどうなるか分からないし。たとえば、ワクチンを強制的に打たなくてはいけない状況だったりとか。そもそも観客入れてできるのか、とか。まあ、その収支の兼ね合いも含めて、ホントに五輪というものが開催されるべきなのか。本当にいろんな方々がいろんなことを考えて、いろんな意見をされてると思うんですね。だから、そういう中で僕個人としては最終目標である五輪ということを考えてはいけないっていうリミッターがかかっています。だから、僕が出る出ないとか、それまで現役続けるのか続けないのかとかそういう感じじゃなくて。そもそも、そこに向けてはちょっとシャットダウンしているイメージが強いです」
(続く)
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