遅咲き23歳、冨田若春が新女王「パリへアピール」 柔道皇后杯全日本女子選手権

[ 2020年12月27日 20:10 ]

柔道皇后杯全日本女子選手権 ( 2020年12月27日    東京・講道館 )

<柔道皇后杯全日本女子選手権>4度目の出場で初優勝を果たし、表彰式後に笑顔を見せる冨田若春
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 体重無差別で争われ、78キロ超級の冨田若春(わかば、23=コマツ)が決勝で橋本朱未(26)との同門対決を制し、4度目の出場で初優勝を果たした。冨田は10月の講道館杯に続く大会2連勝。4年後の24年パリ五輪代表入りに名乗りを上げた。

 決勝は15分近くに及ぶ熱戦に。延長戦で寝技に持ち込まれ、2分近くも「待て」が掛からない状態に「頼むから早く“待て”をしてくれと」と苦笑いで振り返ったが、両脚で相手の右足首を挟み込んでポイントを与えず。逆にその2分間で体力を消耗した同門の先輩を攻め立て、3つ目の指導を引き出し女王の座に就いた。

 「最後はどっちもキツい状況で、勝ちたいという気持ちを強く持った方が勝つと思った」。以前は練習でうまくいかないと表情や態度に出すなど、メンタル面にムラがあり、成長を阻んでいた。コロナ禍で今も「杉本先輩」と呼ぶコマツの杉本美香監督と二人三脚で技術や精神面の見直しを図り成長。9月に乱取りを再開し、2カ月足らずで講道館杯を制したことで自信が芽生え、柔道女子日本一を争う今大会も制した。

 社会人5年目の23歳。東京五輪代表が3歳年下の素根輝とあり、「若くはない。年齢も年齢なので」と自覚する一方、「(24年)パリ五輪への戦いは始まっているので、大きなアピールになったと思う」と自信も深めた。最近は「お菓子作りにはまっている。チーズケーキが得意」という遅咲き新女王が、4年後に大輪を咲かすべく、着実に太い根を張っていく。

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2020年12月27日のニュース