荒磯親方 照ノ富士は暴れん坊から技能派に「幕内でもトップクラス」

[ 2020年11月10日 05:30 ]

大相撲11月場所2日目   〇照ノ富士―朝乃山●(上手投げ) ( 2020年11月9日    東京・両国国技館 )

<11月場所2日目>朝乃山(下)を上手投げで破る照ノ富士(撮影・島崎忠彦)
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 【荒磯親方 真眼】照ノ富士は朝乃山が右を差しに来るのが分かっていて、思い切り左前まわしを取りにいきました。以前は抱え込んでから上手を取りにいっていたのが、幕内に戻ってきてからは下から取るようになりました。踏み込みの足の位置もよく、上手を取ることで朝乃山の右も殺しました。右で誘ってからの左上手投げは、車のハンドルを回すような理想的な形です。暴れん坊のような取り口だった照ノ富士は、今では幕内でもトップクラスの技能派になっています。

 ガチガチの右四つの朝乃山は、正統派の右四つが相手だとやりづらさが出ました。立ち合いの圧力を意識するあまり、体が我慢できずに流れていました。その差は前まわしを取るか取らないかの意識の違いです。自分の相撲を信じることも大事ですが、同じ負け方が続いている以上、左上手を取らせてはダメということを認めることが大切です。照ノ富士対策をしていけば、やはり右四つで一度も勝ったことのない白鵬対策にもなります。対策を練ることで一皮むけるチャンスになるはずです。(元横綱・稀勢の里)

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2020年11月10日のニュース