藤田寛之のLet’s Begin【第7回 正しいインパクトを作る編】

[ 2020年8月14日 12:00 ]

正しいインパクトについての解説を行う藤田寛之プロ
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 今回のテーマは、正しいインパクトの形です。インパクトはアドレスの再現という言葉を耳にしますが、ツアープロのインパクトを見ると、アドレスと同じ形の人は皆無です。それでは、どのような形がベストなのか、藤田寛之プロが解説しました。ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんは、藤田プロから正しいインパクトを再現するためのドリルを教えてもらい、早速実践していました。ティーチングプロのジミー常住氏が進行役を務めます。

 常住 今回はインパクトついてお願いします。ちなみに、田中さんはインパクトの形をイメージできますか?

 田中 まったくイメージできません。と言うよりも、インパクト自体の意味が分からないです(笑い)。

 藤田 インパクトというのは、ボールがクラブフェースに当たった瞬間のことを言います。この形が正しいと、バックスイングやダウンスイングがどんなに悪い形になっていてもボールは真っ直ぐ飛んで行くんですよ。ただ、正しいインパクトの形を理解している人は、田中さんに限らず、アベレージゴルファーにも少ないと思います。試しに、自分なりに正しいと思うインパクトの形をつくってみて下さい。

 田中 こんな感じのイメージだと思います。

 藤田 おっ、それほど悪くありませんよ。下半身が先行する形で、なおかつ両手がボールの位置よりも目標寄りにあるハンドファーストの形で構えています。しかも、左肩が開いていません。

 常住 具体的に説明してもらえますか?

 藤田 正しいインパクトの形というのは、アドレスした状態から、腰だけを左に回した形なんです。へそやみぞおち辺りを左に回す感じですね。上半身は開きたくないので、左肩がアドレスと同じ位置にあるのが理想です。この形をつくると、自動的にハンドファーストの形になります。右足かかとが浮く人もいれば、アドレスと同じベタ足の人もいますが、どちらでも構いません。

 常住 逆に、間違ったインパクトの形とは?

 藤田 ダウンスイングの際、下半身リードを行わず、手でクラブを下ろす人に見られる形ですね。左足の爪先が浮いて、右足に体重が残り、腰も後ろに引けた形です。こういう形になる人は、ダウンスイングの切り返しをチェックしたほうがいいでしょう。

 常住 正しいインパクトの形をマスターするドリルはありますか?

 藤田 アドレスしたら、腰だけを左に少し回してインパクトの形をつくります。そこからテークバックを始めてトップ・オブ・スイングまで上げたら、クラブを下ろして打ちます。この動作を何回か繰り返すといいでしょう。また、他のスポーツの動きを参考にするのも有効です。例えば、野球でボールを捕球した後に投げる際、腕だけでボールを投げることはありません。左足を踏み込み、下半身が先行した後に、上半身、肩、肘が下りてきて、最後にボールをリリースします。

 田中 私は野球をやったことがないのでよく分かりませんが、サッカーでボールを蹴るときのイメージに近いのかもしれません。足だけを動かすのではなく、バランスをとりながら、全身を動かすことによって、ボールを蹴る動きですね。

 藤田 確かにそうですね、要は、手だけでクラブを下ろさず、下半身が先行することによって、正しいインパクトを迎えられるということです。

 <ミス日本ミススポーツ今週の一言>
 「アドレスとインパクトの形は違うんですね!!具体的な練習のやり方を教えてもらって、もの凄く勉強になりました」

(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
 
 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

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